最新記事

ワークプレイス

5割の社員がオフィスにこない、働き方満足度No.1企業

2016年11月18日(金)17時12分
WORKSIGHT

wsTelus_6.jpg

(左)ビル1Fのカフェ。屋根にはクジラの背骨を思わせるオブジェが。(右)社員の健康を意識し、デスクワークをしながら運動ができるウォーキングデスクも設置される。

wsTelus_7.jpg

エントランス。木材がふんだんに用いられ、温かい雰囲気。

wsTelus_8.jpg

レセプションフロアにあるイノベーションセンター。テラス社の新テクノロジーが展示され、ゲストとのコラボレーションも期待されている。

wsTelus_9.jpg

イノベーションセンター内にある「未来の介護」をディスカッションするスペース。各種社会課題の解決について外部の人間と意見交換する。スタートアップや学生がやってきてテラスと一緒にプロジェクトに取り組むことも。

【参考記事】生活ありきの仕事環境がクリエイティブ・カルチャーを生む

「『ワークスタイル』は誰にでも、どのチームにも合うわけではない。さまざまな利害がからむ中で、移行の仕方についてバランスをとることが重要でした」(ゲーツ氏)。新オフィスには出社した人が刺激を受けられる工夫が詰まっている。

テクノロジーを駆使しながら、時代にあった働き方を促進していく

「イノベーションセンター」はテラス外部からの来訪者にも開かれたスペース。テラスの新しい製品やテクノロジーを公開するほか「社会をよりよくするには」等広く意見交換を行う。

 この日はアルツハイマー病の患者が抱える問題をテクノロジーで解決する方法が議論されていた。流木を素材にしたクジラの骨格標本など、イマジネーションを刺激するアート作品も多く展示。ルーフトップガーデンではワーカーが野菜を栽培し、それを販売したお金をチャリティーに寄付しているという。各フロアには共同キッチンを設置。ワーカーが食材を持ち寄り、調理するところから食事を共にする。

 エーオン・ヒューイット社による働き方満足度調査において、テラスは「世界で一番満足度の高い会社である」と評価された。項目はワーク・ライフ・バランス、リーダーシップ、レコグニッション(自分が認められているという認識)など。結果はチームごとにフィードバックされる。

「今後はより今の働き方が促進されていくでしょう。災害が起きたときにもフレキシブルに働く環境があることは重要です。一方で、人間のつながり、顔を見ることの大切さは変わらない。100%がモバイルワークになるとは思いませんが、テクノロジーを駆使してその方向に進むはず。経費削減や生産性、忠誠心、環境的観点など利点が多い。なにより若い世代がこうした働き方に慣れていますから」(ゲーツ氏)。

創業:1999年
売上高:約125億カナダドル(2015年)
純利益:約18億5000万カナダドル(2015年)
従業員数:約4万7700人(2015年)
http://www.telus.com

コンサルティング(ワークスタイル):自社
インテリア設計:OMB
建築設計:Henriquez Partners Architects

WORKSIGHT 09(2016.4)より

text: Yusuke Higashi
photo: Kazuhiro Shiraishi

wsTelus_10.jpg

ビルの最上階にあるエグゼクティブフロアのさらに上階にあるイベントスペースにつながる螺旋階段。地元の木材をふんだんに活用している。螺旋階段の天井から下がるのは地元アーティストのコミッションアート。

wsTelus_11.jpg

イベントスペース。エグゼクティブフロア上階にあり、テラスが主催するイベントを行う。社会貢献に関するファンドレイジング(チャリティーへの寄付集め)イベントが多いという。

wsTelus_12.jpg

エグゼクティブフロア上階には3つのルーフトップガーデンがある。主に来客をもてなしたり、地域コミュニティのイベントに使われる。

wsTelus_13.jpg

テラス社のサービスや製品が並ぶアンテナショップ。

wsTelus_14.jpg

Chief Communications & Sustainability Officer アンドレア・ゲーツ

※当記事はWORKSIGHTの提供記事です
wslogo200.jpg


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、ウォルツ大統領補佐官解任へ=関係筋

ビジネス

物言う株主サード・ポイント、USスチール株保有 日

ビジネス

マクドナルド、世界の四半期既存店売上高が予想外の減

ビジネス

米KKRの1─3月期、20%増益 手数料収入が堅調
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ウクライナ戦争は終わらない──ロシアを動かす「100年…
  • 5
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 6
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
  • 7
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 8
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 9
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 10
    【徹底解説】次の教皇は誰に?...教皇選挙(コンクラ…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 8
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 9
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 10
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 10
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中