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性別と家事分担の根深い刷り込み

2016年9月27日(火)10時50分
クリスティーナ・コーテルッチ

 女性のほうが家事の負担が重いというデータは以前からある。だが今回の調査には同性カップル、所得、趣味の「男らしさ/女らしさ」に関する情報も盛り込まれた。その結果、不平等な家事分担が、収入の差よりもむしろ「男/女はこうあるべき」という性別規範と強く結び付いていることが示された。

 異性カップルの場合は、趣味の「男らしさ/女らしさ」より実際の性別が重視された。お菓子作りが趣味の夫ではなく、スポーツ好きな妻に「女らしい」家事が多く割り振られた。

【参考記事】日本は世界一「夫が家事をしない」国

 同性カップルも性別規範と無縁ではない。世間は彼らを「女性役」と「男性役」に分けたがる。性別規範は子供が真っ先に習得する社会的手掛かりの1つ。筆者の6歳の娘は、目の前で母親が女性のパートナーと愛情を表現し合っていても平気だ。その娘でさえ、ワンピースを着ている筆者が、より「男らしい」パートナーの膝に乗っているほうが「普通っぽい」と言った。

「男らしさ/女らしさ」という枠に傷ついているのは男性も同じ。夫はお菓子作りが好きで妻は車の整備が得意でも、料理は妻がするべきだなんて。そんな枠はもう取り払ってはいかが?

© 2016, Slate

[2016年9月27日号掲載]

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