最新記事

企業

三菱自、燃費不正の先行き見えず、グループからの支援は難航も

今後、東南アジアなど新興国での事業拡大にブレーキがかかる恐れも

2016年4月23日(土)08時08分

4月22日、燃費不正の発覚で三菱自動車が新たな経営危機に直面する懸念が強まっていることが分かった。写真は4月21日、東京の三菱自本社前で(2016年 ロイター/Toru Hanai)

 燃費不正の発覚で三菱自動車<7211.T>が新たな経営危機に直面する懸念が強まっている。2000年代前半のリコール(回収・無料修理)隠しの際、支援に動いた三菱グループの主力企業は業績が悪化しており、内部からは「今回支援するのは厳しい」との声も聞かれる。提携先の日産自動車<7201.T>やユーザーへの補償、対象車の買い取り、厳しい行政処分などが予想される中、同社の経営は先の見えない隘路に入りつつある。

該当車拡大と顧客離れ必至か

 「かなりダメージは大きい」――。燃費不正の事実が明るみに出た20日、国土交通省で会見した三菱自の相川哲郎社長は、不祥事再発へのいら立ちと経営危機への不安をにじませた。

 燃費を実際より良く見せる試験用データの不正が発覚したのは、13年6月から生産している軽自動車「eKワゴン」と「eKスペース」、日産の「デイズ」と「デイズルークス」の4車種、計62万5000台で、三菱自は20日午後、4車種の生産と販売を停止した。

 eKシリーズは三菱自にとって国内販売の半数近くになる主力車種。軽自動車だけでなく、SUV(スポーツ型多目的車)の「パジェロ」や電気自動車の「アイ・ミーブ」など約10車種でも、少なくとも02年以降、国内法令とは異なる方法で燃費試験用データが測定されていたこともわかった。

 同社は販売の約9割を占める海外市場向けの車も調査することを決めた。燃費不正の影響が国境を越えて広がり、強化してきた東南アジアなど新興国での事業拡大にブレーキがかかる恐れもある。

日産、協業見直す可能性も

 燃費不正の対象車のうち、日産向けに生産している2車種は46万8000台と75%近くに上る。デイズは15年度の軽販売ランキングで3位に入る人気シリーズだけに、日産への補償は契約違反や販売機会損失などの点から高額になることも予想される。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ロ、グリーンランド占領説を一蹴 西側の「二重基準」

ワールド

米、メキシコに麻薬製造施設への軍事作戦容認を要求=

ビジネス

FRBは物価目標達成に注力を、雇用は安定=シカゴ連

ワールド

欧州諸国がグリーンランドで軍事演習準備、要員派遣 
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
2026年1月20日号(1/14発売)

深夜の精密攻撃でマドゥロ大統領拘束に成功したトランプ米大統領の本当の狙いは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率が低い」のはどこ?
  • 2
    世界初で日本独自、南鳥島沖で始まるレアアース泥試掘の重要性 日本発の希少資源採取技術は他にも
  • 3
    イランの体制転換は秒読み? イラン国民が「打倒ハメネイ」で団結、怒りの連鎖が止まらない理由
  • 4
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 5
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 6
    正気を失った?──トランプ、エプスタイン疑惑につい…
  • 7
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 8
    年始早々軍事介入を行ったトランプ...強硬な外交で支…
  • 9
    母親「やり直しが必要かも」...「予想外の姿」で生ま…
  • 10
    中国、欧米の一流メディアになりすまして大規模な影…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率が低い」のはどこ?
  • 4
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画を…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    Netflix『ストレンジャー・シングス』最終シーズンへ…
  • 7
    母親が発見した「指先の謎の痣」が、1歳児の命を救っ…
  • 8
    「高額すぎる...」ポケモンとレゴのコラボ商品に広が…
  • 9
    世界初で日本独自、南鳥島沖で始まるレアアース泥試…
  • 10
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 6
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 8
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中