最新記事

ソーシャルメディア

グーグル、テロ撲滅に「ヘイトチェッカー」を提案

Cyber Expert Skeptical of Google Chairman's Call for 'Spell-Checker' on Hate

ミススペルならぬ悪しき単語を検知し、未然に過激思想の拡散を防ぐ――専門家が懐疑的な理由は?

2015年12月14日(月)16時08分
ディポ・ファロイン

正義の味方? ネットがテロリストの手に落ちないよう行動を、と訴えるシュミット Bobby Yip-REUTERS

 グーグルのエリック・シュミット会長は、インターネット上のヘイトスピーチ(差別的表現)を検知し、拡散される前に遮断する技術の開発を訴えた。

 ニューヨーク・タイムズ紙への寄稿のなかで、シュミットはインターネットの「偉大な潜在力」と、「互いにつながり、対話し、組織し、運動するのに安全なコミュニティー空間」を作るインターネットの能力を強調。多くの人々が「自分の居場所、自分の主張」を見つけるチャンスが生まれると書いた。

 シュミットは続けて、公共の安全に対する深刻な挑戦とリスクについて警告した。「悪をなすもの」にチャンスを与えぬよう、憎悪や過激な暴力を煽る危険な単語を検知できるよう、ハイテク企業はさらに努力をするべきだと危機感を露わにした。

 ソーシャルメディア上の緊張を緩和するのに役立つツールを作りださなければならない、とシュミットは言う。「我々はソーシャルメディア上にあるISISのようなテロリストのアカウントを標的にし、彼らが動画を拡散する前に止める。一方でテロと戦う者たちの声が広がるように手助けする」

インターネットが悪の手に落ちる

 これらのツールがなければ、インターネットは脆い社会をさらなる解体に導き、悪人に力を与え、悪の主張を広げる道具になってしまう、とシュミットは言う。

 政府とハイテク企業はこれまで、個人の通信を監視することに関し意見が対立してきた。サイバーセキュリティーの専門家も両者の板挟みになっていると感じることがしばしばだ。サリー大学サイバーセキュリティ・センターのジョン・ウッドワード教授は本誌のメール取材に対し、シュミットの意図は理解するし共感も感じるが、何がヘイトスピーチにあたるかを定義する権威をハイテク企業がもつのには懸念があるという。

 大事なことは、我々が「言論の自由」と思うことが、文化が変われば「ヘイトスピーチ」になるかもしれないことだと、ウッドワードは言う。それを理解した上で、政府機関がコンテンツを監視することを提案する。有害か、過激か、あるいは猥褻なコンテンツだと思えば、彼らの権限の範囲内でそれらをブロックできる。

 一方、ハイテク企業が言論の白黒をつけることになれば、潜在的に、ハイテク企業が本国の文化をグローバルに押し付けることになりかねないと、ウッドワードは言う。
 
 グーグルなどが出てくるのは余計なお世話、ということだ。

ニュース速報

ワールド

米司法長官、ロシア介入疑惑で特別検査官から聴取=司

ワールド

モディ印首相、ダボス会議でグローバル化の促進呼びか

ワールド

焦点:北朝鮮スキー場での南北合宿案、経済制裁に抵触

ビジネス

米上院、パウエルFRB理事の次期議長就任を承認

MAGAZINE

特集:科学技術大国 中国の野心

2018-1・30号(1/23発売)

豊富な資金力で先端科学をリードし始めた中国 独裁国家がテクノロジーを支配する世界

*雪による配送遅延について

グローバル人材を目指す

人気ランキング

  • 1

    ビットコイン暴落でネット上に自殺防止ホットライン

  • 2

    アメリカのビーチは糞まみれ

  • 3

    シリアで流行した皮膚が溶ける「奇病」のワクチン開発に光が!?

  • 4

    サーモンを愛する「寿司男」から1.7mのサナダムシ発見

  • 5

    ビットコインに未来はない、主犯なき投資詐欺だ

  • 6

    暴落を予言?バフェットが仮想通貨に冷や水を浴びせ…

  • 7

    写真が語る2016年:小頭症の赤ん坊を抱きしめるブラ…

  • 8

    犬の「うんちを食べる行為」の謎がついに解けた!?

  • 9

    「クラスで一番の美人は金正恩の性奴隷になった」

  • 10

    ウォンバットのうんちはなぜ四角いのか

  • 1

    ビットコイン暴落でネット上に自殺防止ホットライン

  • 2

    日本の2社しか作れない、世界の航空業界を左右する新素材

  • 3

    「クラスで一番の美人は金正恩の性奴隷になった」

  • 4

    ビットコインや株は大暴落か 2018年ブラックスワン…

  • 5

    暴落を予言?バフェットが仮想通貨に冷や水を浴びせ…

  • 6

    シリアで流行した皮膚が溶ける「奇病」のワクチン開…

  • 7

    子ども13人を劣悪な環境で監禁拷問した両親を逮捕 …

  • 8

    インドの女子大生がレイプ防止パンティを開発

  • 9

    ウディ・アレン「小児性愛」疑惑を実の息子が告発

  • 10

    ビットコインに未来はない、主犯なき投資詐欺だ

  • 1

    北朝鮮による電磁パルス攻撃の現実味

  • 2

    [動画]クジラがサメの襲撃から人間を救った

  • 3

    決断が日本より早い中国、でも「プチ大躍進」が悲劇を生んでいる

  • 4

    ビットコインや株は大暴落か 2018年ブラックスワン…

  • 5

    ビットコインに未来はない、主犯なき投資詐欺だ

  • 6

    金正恩がアメリカを憎悪するもっともな理由

  • 7

    ビットコイン暴落でネット上に自殺防止ホットライン

  • 8

    南北会談で油断するな「アメリカは手遅れになる前に…

  • 9

    ビットコイン調整の陰で急騰する仮想通貨「リップル…

  • 10

    iPhoneXは期待外れ

日本再発見 シーズン2
デジタル/プリントメディア広告セールス部員募集
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版 特別編集

最新版 アルツハイマー入門

絶賛発売中!

STORIES ARCHIVE

  • 2018年1月
  • 2017年12月
  • 2017年11月
  • 2017年10月
  • 2017年9月
  • 2017年8月