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EUの次期トップ、ユンケルを待つ欧州の矛盾

2014年7月24日(木)18時17分
マット・スキヤベンザ

イギリスとの仲直りも

 イタリア、スペイン、ギリシャなど南欧諸国の緊縮財政も重要な問題だ。EUからの財政支援と引き換えに痛みを伴う改革を義務付ける政策は、08年の世界金融危機後に大幅な予算削減を強いられたこれらの国々では不人気。しかし欧州最大の経済国ドイツの有権者には、財政規律を維持する手段として好意的に受け止められている。

 この緊縮財政策を見直す方針を示し、南欧諸国の支持を得たことがユンケルが委員長に選出される大きな材料となった。先週の欧州議会でユンケルは、ヨーロッパが「増え続ける債務の上に持続的成長を築ける」とは考えていないと表明。今後3年間で、総額3000億ユーロの官民投資を行うと公約した。

 イギリスとの「仲直り」も課題の1つだ。キャメロンはユンケルの委員長選出を「重大な過ち」と批判し、イギリスはヨーロッパとのさらなる統合に慎重姿勢を示している。17年には、EU残留の是非を問う国民投票も予定されている。

 注目すべきは、ユンケルがイギリスの欧州議員に重要ポストを割り当てて、懐柔できるかどうかだろう。少なくとも、「自分の任期中に新たに加盟国を増やすことはない」と表明して、イギリス政府を安心させることはできた。イギリスからの独立を目指すスコットランドには残念な話だが。

[2014年7月29日号掲載]

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