最新記事
ツイッター

ツイッターの青バッジはフェイクのしるし? コメントを求めたが、広報は「うんこ」絵文字で応答するのみ

VERIFIED MISINFORMATION

2023年4月26日(水)13時10分
ジャック・ブリュースター(ニューズガード エンタープライズエディター)、ザック・フィッシュマン(同シニアアナリスト)、マクリーナ・ワン(同アナリスト)、バレリー・パビロニス(同アナリスト)
イーロン・マスク

ツイッターのCEOになったマスクはさまざまな「改革」を打ち出しているが JONATHAN NEWTONーTHE WASHINGTON POST/GETTY IMAGES (MUSK), STUDIO-PRO/GETTY IMAGES

<マスクCEOが打ち出した「改革案」はデマや陰謀論の発信者にお墨付きを与えている>

かつてツイッターの青い「認証済みバッジ」は、そのアカウントの信頼性を示すためのものだった。だが最近では、偽情報を発信しているアカウントの偽りの信頼感を高める手段となっている。

偽情報を発信し多数のフォロワーを獲得しているアカウントが、ツイッター社(現X社)のオーナー兼CEOであるイーロン・マスクが新たに導入した認証システム「ツイッターブルー」を利用し、月額8ドルを払って認証バッジを取得している(日本では月額980~1380円)。

筆者らが所属するニューズガードは、ニュースサイトの信頼性を評価する機関だ。私たちは3月1~7日、偽情報を拡散している認証済みの25アカウント(フォロワー数は5万人以上)による投稿を分析した。するとその全てが、偽情報を拡散していると私たちが見なしたウェブサイトに関係するか、ニューズガードのデータベースに記録されたデマを拡散していたことが分かった。

さらにこれらの25アカウントは、偽情報や誤解を招く情報、根拠のない主張などを含むツイート(リツイートも含む)を計141回行っていた。私たちの分析では、これらのツイートは3月1~7日に2700万回近く閲覧され、「いいね」とリツイートが計76万件を超えていた。25のうち10アカウントは以前は凍結されていたが、マスクがツイッターを買収した後に復活したものだ。

偽情報の中で最も多かったのは、新型コロナウイルスに関するものだ。15のアカウントが計66件の投稿で、ワクチンは大量死やエイズ、脳卒中、死産などを引き起こしているという根拠のない主張を展開していた。例えば極右コメンテーターのスチュー・ピーターズは3月2日のツイートで、新型コロナのmRNAワクチンを接種した男性は「不妊症になり、ペニスが腐り落ちている」という偽情報を発信していた。

国内政治やロシアのウクライナ侵攻に関しても、問題のあるツイートが多かった。保守派コメンテーターのローガン・オハンドリーは3月2日のツイートで、ドナルド・トランプ前大統領は2020年の米大統領選を「盗まれた」と主張していた。

オハンドリーは、同じく保守派コメンテーターのディネシュ・デスーザが昨年制作したドキュメンタリー『2000人の運び屋』に言及した。だが「大統領の不正」を暴くこの作品については、誤解を招くデータの解釈が行われていると複数の専門家が指摘する。全米50州の選挙管理委員会の責任者も全て、20年の大統領選で不正はなかったと断言している。

キャリア
AI時代の転職こそ「人」の力を──テクノロジーと専門性を備えたLHHのコンサルティング
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米労働統計局、インフレ指標発表へ一時帰休職員が復帰

ワールド

イリノイ州への州兵派遣一時差し止め、シカゴ裁判所が

ワールド

訂正-米ニューヨーク州司法長官を起訴、金融詐欺の疑

ワールド

イスラエルとハマス、第1段階合意文書に署名 停戦・
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:中国EVと未来戦争
特集:中国EVと未来戦争
2025年10月14日号(10/ 7発売)

バッテリーやセンサーなど電気自動車の技術で今や世界をリードする中国が、戦争でもアメリカに勝つ日

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル賞の部門はどれ?
  • 3
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな飼い主との「イケイケなダンス」姿に涙と感動の声
  • 4
    50代女性の睡眠時間を奪うのは高校生の子どもの弁当…
  • 5
    あなたは何型に当てはまる?「5つの睡眠タイプ」で記…
  • 6
    ウクライナの英雄、ロシアの難敵──アゾフ旅団はなぜ…
  • 7
    史上最大級の航空ミステリー、太平洋上で消息を絶っ…
  • 8
    米、ガザ戦争などの財政負担が300億ドルを突破──突出…
  • 9
    底知れぬエジプトの「可能性」を日本が引き出す理由─…
  • 10
    いよいよ現実のものになった、AIが人間の雇用を奪う…
  • 1
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレクトとは何か? 多い地域はどこか?
  • 2
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 3
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最悪」の下落リスク
  • 4
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 5
    赤ちゃんの「耳」に不思議な特徴...写真をSNS投稿す…
  • 6
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、A…
  • 7
    祖母の遺産は「2000体のアレ」だった...強迫的なコレ…
  • 8
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 9
    ロシア「影の船団」が動く──拿捕されたタンカーが示…
  • 10
    更年期を快適に──筋トレで得られる心と体の4大効果
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 4
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 5
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 6
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 7
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 8
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 9
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 10
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中