最新記事

ヘルス

「ジョギングで痩せる」は非効率すぎる...... 米特殊作戦部隊が採用した「最強の筋トレ」の中身とは

2022年10月10日(月)11時40分
マーク・ローレン(米軍特殊作戦トレーニングスペシャリスト) ジョシュア・クラーク(認定パーソナルトレーナー) *PRESIDENT Onlineからの転載
腕立て伏せをする米軍兵士たち

写真はイメージです。 laflor - iStockphoto


効果的にやせるには、どうすればいいのか。米軍特殊作戦トレーニングスペシャリストのマーク・ローレン氏は「有酸素運動は時間のムダ。貯め込んだ体脂肪を解消するカギは、自重筋トレで若々しい代謝を取り戻すことだ」という――。

※本稿は、マーク・ローレン、ジョシュア・クラーク著、山田雅久訳『マッスルエリート養成バイブル』(かんき出版)の一部を再編集したものです。

いつでもどこでも一人でできる「最強筋トレ」の正体

9.11を境に、特殊作戦コミュニティは、もっとも効果的で時間効率的にも優れたトレーニング方法を開発する必要に迫られることになった。

そんな中、私は、米軍の特殊作戦トレーニングスペシャリストとして、空軍特殊作戦部隊、グリーンベレー、ネイビーシールズなどに任務する兵士たちを、鉄の意志と驚異的な身体能力を持つ男たちに変えてきた。

フィットネス全般に秀でたエリートアスリートを育成する方法を確立するには長い時間を要したが、日々、進歩していくスポーツ生理学の原則を適用することで、燃え尽きやケガを最小限に抑えながら、より強く、より速く、無駄な脂肪がない引き締まった兵士を生み出し続けていった。

その主たる方法は、ボディウェイトエクササイズ(自分の体重を抵抗にして体を鍛えるエクササイズ)。パーソナルトレーナーやジムに頼らず、いつでもどこでも一人でできるトレーニングだ。

ほとんどのウェイトトレーニングは特定の筋肉を分離して鍛える。そのやり方では、体にある総筋肉量のうちのかなり小さな割合しか鍛えることができない。

ボディウェイトトレーニングの場合、エクササイズを1つやるのにも体にある筋肉の多くを協働させなければならない。体幹にも大きな負荷がかかる。

ウェイトやマシンを使って行う不自然な動作は、日常生活に役立つ体をつくるという意味では価値が低い。関節を悪くするといった慢性化しやすい傷害が付き物でもある。

ボディウェイトトレーニングは、そういった傷害に結びつかない動作で構成されている。普段の生活に役立つ体をつくるには、普段の動き方にできるだけ近い動作を使って鍛える必要がある。

有酸素運動は時間の無駄だ

エアロビックダンスやステップマシンなどの定常状態トレーニング(通常は目標心拍数を30~60分間維持する)をやることが、カロリーを消費し、心血管系を丈夫にするうえで最良の方法になる――それこそ、神話だ。

筋肉を増やしたい人だけでなく、脂肪を減らしたい人も、その両方を望んでいる人も、筋力トレーニングをやることこそが最良の方法になる。有酸素運動は、非効率的であり効果があまりないからだ。

消費カロリー数を示すトレッドミル(ルームランナー)に乗ったことがあるだろうか?

たとえば、45分をかけて300キロカロリー(以下カロリー)に達したとする。しかし、これは、消費する"総"カロリーが300カロリーになるという意味であり、基礎代謝量(体を動かさないでいても消費されるカロリー数)を300カロリー上回るということではない。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米新規失業保険申請、2.7万件減の19.1万件 3

ワールド

プーチン氏、インドを国賓訪問 モディ氏と貿易やエネ

ワールド

米代表団、来週インド訪問 通商巡り協議=インド政府

ワールド

イスラエル、レバノン南部を攻撃 ヒズボラ標的と主張
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%しか生き残れなかった
  • 2
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させられる「イスラエルの良心」と「世界で最も倫理的な軍隊」への憂い
  • 3
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国」はどこ?
  • 4
    高市首相「台湾有事」発言の重大さを分かってほしい
  • 5
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与…
  • 6
    「ロシアは欧州との戦いに備えている」――プーチン発…
  • 7
    見えないと思った? ウィリアム皇太子夫妻、「車内の…
  • 8
    【トランプ和平案】プーチンに「免罪符」、ウクライ…
  • 9
    【クイズ】日本で2番目に「ホタテの漁獲量」が多い県…
  • 10
    白血病細胞だけを狙い撃ち、殺傷力は2万倍...常識破…
  • 1
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場の全貌を米企業が「宇宙から」明らかに
  • 4
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 5
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 6
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 7
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 8
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 9
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与…
  • 10
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中