ブルーノ・マーズが示す寡作でも「ヒット」の法則
The Mars Method
エルビスの物まねが出発点のマーズは希代のエンターテイナー(2017年「24K Magicワールドツアー」のニューヨーク公演にて) THEO WARGO/GETTY IMAGES FOR ATLANTIC RECORDS
<約10年ぶりに新アルバムをリリースするマーズが同世代のスターとは違うスタイルで売れ続ける理由>
▼目次
際立つ「生産性の低さ」
時代が求める軽やかさ
ミレニアル世代のポップスターについて、1つ言えることがある。彼らはとても息が長い。ベビーブーマー世代よりも長く、Z世代について予測するには早すぎるが、少なくともX世代よりは確実に長きにわたって活躍している。
イーグルス、フリートウッド・マック、ピンク・フロイドといったブーマー世代のバンドは何十年もアリーナを回り続けたが、彼らがヒット曲を生み出した期間は実はとても短い。新曲を確実にラジオやチャートに送り込めていたのは、いずれも1970~80年代にかけての10年ちょっと。その後、これらのブーマー世代バンドは同じ楽曲を何十年もツアーで演奏し続けた。
一方、ミレニアル世代のメガスターはどうか。ラジオからもチャートからも、一向に消えていかない。80年代生まれで2000年代にブレイクした彼らは、既に15~20年近くヒットを生み出しながらも、衰える兆しが全くないのだ。
81年生まれのビヨンセは、ソロとしてビルボードのヒットチャート「ホット100」で1位を獲得し続けて20年以上になる。86年生まれのレディー・ガガは、デビューから18年がたつ今も「Die With A Smile」といった新しい曲でアリーナを満員にしている。同じく86年生まれのドレイクは、ケンドリック・ラマーとの確執後に失速したものの、初めてホット100のトップテン入りした「Best I Ever Had」から17年の時を経て、昨年「NOKIA」で再び勝者の側に戻ってきた。
89年生まれのテイラー・スウィフトが昨年発表した「The Fate of Ophelia」は、自身にとって最も長期にわたってチャート首位を維持したが、これはデビューから実に20年たってからのことだった。
こうしたミレニアル世代の成功者リストに、85年生まれのピーター・ジーン・ヘルナンデス──またの名をブルーノ・マーズ──を加えよう。彼のヒットメーカーとしてのキャリアは、10年にラッパーB.o.B.の「Nothin’ on You」にボーカルとして参加し、同年後半にソロデビュー曲の「Just The Way You Are」をヒットさせてから、15年以上に及ぶ。





