最新記事
カルチャー

ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限らない」と投稿...ラドクリフとワトソンとの対立が表面化か

'Harry Potter' Author J.K. Rowling Sends Not-So-Kind Message to Film Stars Daniel Radcliffe and Emma Watson

2024年4月13日(土)20時30分
ジェーン・ラクロワ
J・K・ローリング、ダニエル・ラドクリフ、エマ・ワトソン

J・K・ローリング、ダニエル・ラドクリフ、エマ・ワトソン(2002年11月) REUTERS

<トランスジェンダーの権利をめぐり、批判派のJ・K・ローリングが擁護派のダニエル・ラドクリフとエマ・ワトソンに言及>

『ハリー・ポッター』シリーズの作者J・K・ローリングは4月11日、ソーシャルメディアへの一連の投稿で、俳優のダニエル・ラドクリフやエマ・ワトソンと対立する意見を表明した。同作の映画シリーズでメインキャストを務めたラドクリフとワトソンだが、特にトランスジェンダーの権利に関する問題について、ローリングと対立する構図となっている。

■【写真】フェミニストのはずなのに「なぜ、胸を隠さないのか?」と話題になったエマ・ワトソン

英国民保健サービス(NHS)は4月9日、トランスジェンダーに関する医療サービスを未成年者に対して提供すべきかについて、慎重な姿勢をとるレビューを発表した。これを受け、58歳のローリングは4月10日にX(旧ツイッター)でこのレビューを共有し、「未成年者の性転換に関する医学的エビデンスとしては、これまでになく確固たる内容だ」と述べた(このレビューのソース元は、表示可能なユーザーを制限している)。

ローリングの投稿を読んだ、Xのあるフォロワーは、ラドクリフとワトソンがローリングに謝罪し、許しを請うのではないかとコメントした。「ダニエルとエマがあなたに対して、公に謝罪するのを待っています」「あなたはきっと2人を許してくれると思っています」

しかし、ローリングはすぐさま、「残念ながら、そうとは限りません」と一蹴し、これまで未成年のトランスジェンダーを支持してきたセレブたちを批判した。そして、彼らの謝罪は自分よりむしろ、トラウマを抱えたディトランス(性転換を中断したか、元の性別に戻った人)や、単一性別(女性専用)空間がなければ困る弱い立場の女性たちに向けられるべきだと訴えた。

トランスジェンダー問題をめぐって割れた意見

こうしたやりとりは、ローリングがトランスジェンダー問題に対する見方を表明したことで巻き起こり、現在も続いている議論を受けたものだ。ローリングのトランスジェンダーに対する姿勢に関して、ローリングの読者や「ハリー・ポッター」のキャストたちのあいだでは、意見が大きく割れてしまった。

ラドクリフとワトソンは、未成年の医療的な性転換措置を巡る問題について直接考えを述べた訳ではないものの、過去には、トランスジェンダーの権利への支持を公言してきた。ワトソンは2020年6月、Xに声明を投稿し、支持を明確にしている。

「トランスの人々は、彼らが自認している人間であり、そう自認する自分自身について、絶えず疑問を投げかけられたり、否定されたりせずに生きていく権利がある」とワトソンは述べた。「私をフォローしているトランスの人々にわかってもらいたいことがある。私や、世界中の多くの人たちは、みなさんを受け入れ、尊重し、あなたという人を愛している」

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

プーチン氏、ロは「張り子の虎」に反発 欧州が挑発な

ワールド

プーチン氏「原発周辺への攻撃」を非難、ウクライナ原

ワールド

西側との対立、冷戦でなく「激しい」戦い ロシア外務

ワールド

スウェーデン首相、ウクライナ大統領と戦闘機供与巡り
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡
特集:2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡
2025年10月 7日号(9/30発売)

投手復帰のシーズンもプレーオフに進出。二刀流の復活劇をアメリカはどう見たか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 2
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外な国だった!
  • 3
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最悪」の下落リスク
  • 4
    「人類の起源」の定説が覆る大発見...100万年前の頭…
  • 5
    イスラエルのおぞましい野望「ガザ再編」は「1本の論…
  • 6
    「元は恐竜だったのにね...」行動が「完全に人間化」…
  • 7
    1日1000人が「ミリオネア」に...でも豪邸もヨットも…
  • 8
    女性兵士、花魁、ふんどし男......中国映画「731」が…
  • 9
    AI就職氷河期が米Z世代を直撃している
  • 10
    【クイズ】1位はアメリカ...世界で2番目に「航空機・…
  • 1
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外な国だった!
  • 2
    トイレの外に「覗き魔」がいる...娘の訴えに家を飛び出した父親が見つけた「犯人の正体」にSNS爆笑
  • 3
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 4
    ウクライナにドローンを送り込むのはロシアだけでは…
  • 5
    こんな場面は子連れ客に気をつかうべき! 母親が「怒…
  • 6
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、A…
  • 7
    【クイズ】世界で1番「がん」になる人の割合が高い国…
  • 8
    高校アメフトの試合中に「あまりに悪質なプレー」...…
  • 9
    虫刺されに見える? 足首の「謎の灰色の傷」の中から…
  • 10
    琥珀に閉じ込められた「昆虫の化石」を大量発見...1…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 4
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 5
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 6
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 7
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 8
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 9
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 10
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中