最新記事

ワークプレイス

フィンテックの雄スクエアが、オフィスを「街」に見立てる理由

2017年8月2日(水)18時10分
WORKSIGHT

wsSquare170802-10.jpg

デリカテッセンバー「Wise Sons」もサンフランシスコの人気店。

wsSquare170802-11.jpg

ヘルスバーは、一日中、新鮮なスムージーとジュースを提供する。フード類がコミュニケーションツールになるのか、いつでも盛況。もちろんどの店舗でもスクエアの製品でモバイル決済可能、新しい製品のテストにも利用されている。

wsSquare170802-12.jpg

9階にあるカフェテリア。ランチ時は10ドルで食べ放題。こちらもオープン前から行列ができる人気ぶりで、ランチだけで1日800食以上が出る。チョコレートなど甘いおやつもあるが、ヘルシーな献立が中心だ。

以前は、毎週金曜日に11時半から12時まで街頭でゴミ拾いをしていたことも。現在、会社全体としてさらに街に貢献していくために、多様でフレキシブルなボランティア・プログラムの準備に取り組んでいる。また5〜10人の小さなグループに分かれ、地元のお店やフードトラック、バーなどを巡るプログラムもあるとのこと。

「スクエアはコミュニティのセラー(小売店)をサポートしていますし、コミュニティのためのツールを作り、経済を強化するという使命にインスパイアされている企業です。ですから街に出ることに何の抵抗もありませんし、街でこそ触れるもの、見えるものがあるのです。スクエア製品が使われている様子を見たければ、すぐそこの角にあるコーヒーショップに行き、オーナーと話せばいい。社員たちは情熱を持ってやっていますよ」(ゴーマン氏)

スクエアのビジネスは、ローカルのスモールビジネスに寄り添うもの。社内外で彼らと接点を増やし、生活者の肌感覚を養うことが新製品開発につながるというわけ。それはリアルの街とオフィスのコラボレーションのようでもある。

【参考記事】R&D系オフィスの新潮流、マイクロソフトのBuilding 44に潜入!

創業:2009年
売上高:約12億6712万ドル(2015)
純損失:約1億7982万ドル(2015)
従業員数:1449人(2015)
http://www.square.com

コンサルティング(ワークスタイル):BCJ
インテリア設計:BCJ
建築設計:BCJ

WORKSIGHT 10(2016.10)より

text: Yusuke Higashi
photo: Hirotaka Hashimoto

wsSquare170802-13.jpg

ガラス張りの会議室に象徴される「透明性」はアイデア創出のため。「オープンで、誰もが会話に参加できるスペースがあれば、アイデアはどこからでも湧いてくる」(ゴーマン氏)。

wsSquare170802-14.jpg

9階レストランは、全社員会議(オールハンズミーティング)を行う会場にも使われている。隔週金曜日には「タウンスクエア」と呼ばれるミーティングを開催、会社のイニシアチブを確認する。食事の時間以外は、ここで仕事をする社員の姿も。

※当記事はWORKSIGHTの提供記事です
wslogo200.jpg


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米加州の2035年ガソリン車廃止計画、下院が環境当

ワールド

国連、資金難で大規模改革を検討 効率化へ機関統合な

ワールド

2回目の関税交渉「具体的に議論」、次回は5月中旬以

ビジネス

日経平均は続伸で寄り付く、米国の株高とハイテク好決
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ウクライナ戦争は終わらない──ロシアを動かす「100年…
  • 5
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 6
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
  • 7
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 8
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 9
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 10
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 8
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 9
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 10
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 10
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中