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木内日銀委員「国債を永遠には買えない、限界意識されれば金利が大幅に上昇」

2015年12月4日(金)09時33分

 木内委員は、QQEについて、すでに日本経済の潜在的成長力とのかい離を示す需給ギャップの解消など効果があったが、実質金利を押し下げる効果は徐々に減少しており、昨年の追加緩和以降は「限界的な効果は少ない」とした。

 年間45兆円への減額を提案している理由として「政府の国債発行額(カレンダーベース)の5割以下となるため、買い入れの持続性を高めるため」と説明した。

 一方、「日銀が保有する国債など資産の売却による、バランスシートの減額は、緩和効果を減らすため、現時点で考えていない」とした。

円安による高収益、企業は棚ボタと認識

 景気については「輸出回復で一時期懸念された景気後退リスクは低下した」とする一方、中国経済減速や、米利上げによる新興国の景気下押しにより、今後輸出が順調に伸びるとは考えにくいとし、「輸出が最大のリスク」と指摘した。

 企業収益が高水準な割に設備投資が慎重である点が政府・日銀の懸念事項になっているが、「企業は円安による収益をwindfall(棚ボタ)と見ている可能性がある」として、積極的に国内で設備投資に踏み切りにくい事情に理解を示した。

 (竹本能文 編集:野村宏之)

[東京 3日 ロイター]

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