最新記事

ソーシャルメディア

戦略なきツイッターの命運が尽きるとき

140文字で「つぶやく」サービスは一世を風靡したが、魅力的なライバル続出で人気は右肩下がり

2015年9月14日(月)17時00分
ケビン・メイニー(テクノロジー担当)

山は越えた? ユーザー数を3億人の大台に乗せた後は伸び悩むツイッター Chris Ratcliffe-Bloomberg-GETTY IMAGES

 ツイッターが伸び悩んでいる。それはこの会社が、本質的に大きな問題を抱えているからだ。

 ツイッターはテクノロジーブームに乗って、たまたま大ヒットしたオモチャのようなもの。絶えず進化を続けるフェイスブックや、画期的な配車アプリでタクシーの在り方を変えつつあるウーバーとは全然違う。

 大成功しているテクノロジー企業は、何らかのビジョンに基づき設立される。創業者が何らかの問題を解決したり、物事のやり方を変えるテクノロジーを発明して、それを広めるために会社を立ち上げるのだ。

 ツイッターは違う。どちらかといえば偶然ヒットしただけなのに、創業者は自分たちが賢いから成功したと思っている。だからいま苦境に立たされても、どうしていいか分からない。

 ポッドキャストの会社オデオを運営していたエバン・ウィリアムズの支援を受けて、起業家のジャック・ドーシーがツイッターを立ち上げたのは06年7月のこと。ドーシーはかねてから、携帯電話のSMS(ショート・メッセージ・サービス)を使って、自分のやっていることを不特定多数の人に発信できたら面白いと考えていた。

 テキスト版のラジオ放送のような感覚だが、06年7月というタイミングが絶妙だった。ちょうど文字入力をしやすいキーパッド付きのスマートフォン(スマホ)人気が急拡大。だが現在のようなアプリはなかったから、SMSベースのツイッターに注目が集まった。

 フェイスブックは04年に設立されていたが、当時はまだパソコンからの利用が主流。スマホ経由では使われていなかった。アップルの初代iPhoneが発売されたのは翌07年のことで、まともなアプリはなかった。こうした環境がツイッターの爆発的拡大を後押しした。

 07年半ばまでにツイッターは急速に拡大。ウィリアムズはツイッターをオデオから分離して、ドーシーらと共に「共同創業者」の肩書を得た。だが創業者の誰一人として、ツイッターという未来ある赤ん坊をどう育てていいか分からなかった。

社内人事のゴタゴタも

 筆者は08年にウィリアムズの話を聞く機会があったが、このときも明確なビジョンはなかった。「この電車を動かしているのは私ではないのは確かだ」と、ウィリアムズは言った。「ただ、線路がどこに向かっているかを見極めようと努力している」

 そうこうしている間に、ツイッターの優位は縮小していった。写真共有アプリのインスタグラムや、写真付きメッセージアプリ(ただし開封後に自動削除される)のスナップチャットなど、魅力的なソーシャルメディアが続々と登場して人気を博するようになった。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ベトナム最高指導者、14日から中国訪問 就任後初の

ワールド

米イラン停戦合意、先行き非常に不透明=小林自民政調

ビジネス

ソフトバンクGの国際事業、大部分をアームCEOが統

ビジネス

ファーストリテ、通期予想を上方修正 欧米けん引・中
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの大誤算
特集:トランプの大誤算
2026年4月14日号(4/ 7発売)

国民向け演説は「フェイク」の繰り返し。泥沼化するイラン攻撃の出口は見えない

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文章」...歴史を塗り替えかねない、その内容とは?
  • 2
    韓国、生理用品無償支給を7月から開始 靴の中敷きで代用した少女たちから10年、アジア初の普遍的支援へ
  • 3
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライナ軍司令官 ロシア軍「⁠春の​攻勢」は継続
  • 4
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 5
    ポケモンで遊ぶと脳に「専用の領域」ができる? ポ…
  • 6
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの…
  • 7
    高学力の男女で見ても、日本の男女の年収格差は世界…
  • 8
    戸建てシフトで激変する住宅市場
  • 9
    キッチンスポンジ使用の思いがけない環境負荷...マイ…
  • 10
    「仕事ができる人」になる、ただ1つの条件...「頑張…
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文章」...歴史を塗り替えかねない、その内容とは?
  • 3
    韓国、生理用品無償支給を7月から開始 靴の中敷きで代用した少女たちから10年、アジア初の普遍的支援へ
  • 4
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始め…
  • 5
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 6
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐ…
  • 7
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 8
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 9
    米軍が兵器を太平洋から中東に大移動、対中抑止に空白
  • 10
    【銘柄】イラン情勢で一躍脚光の「NEC」 防衛・宇宙…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 6
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中