最新記事

企業

ヤフーが買収「タンブラー」は何がすごい?

2013年5月27日(月)18時20分
レベッカ・デーナ

応援団長はブルームバーグ

 タンブラーは11年秋に8500万ドルの追加融資を受け、スタッフも1年で90人近く増やした(それまでは20人以下だった)。毎月160億を超えるページビューに対応するため、サーバー容量とサポート人員を増やし、広いオフィスに引っ越した。

 その成長を熱心に見詰めているのが、ニューヨークのマイケル・ブルームバーグ市長だ。ブルームバーグはニューヨークをIT企業に優しい街にするため、数百万ドルを投資してきた。その努力は、タンブラーやフォースクエアなど地元出身ベンチャーの成功で勢いづいている。

 12年に入ると、フェイスブックがニューヨークにオフィスを設置。動画版ウィキペディアのQwikiのように、広告業界に接近するため(あるいはもっと面白いことを求めて)、本社機能を西海岸からニューヨークに移したITベンチャー企業もある。

 カープは12年4月、タンブラーに利益追求モデルを導入すると発表。それによると一部のユーザーは有料で、友達やフォロワーだけでなくタンブラーのユーザー全員に、新しい記事を投稿したことを通知できるようになる。

 これはタンブラーをマーケティングツールとして利用する企業にとって、広告らしくない形でブランドメッセージを伝える絶好のチャンスだ。ただし、こうしたメッセージは目障りでない形で表示されることが重要だ。

 タンブラーは1年近く、企業がタンブラーをどのように利用しているかを研究し、新サービス(同社は「広告」という言葉を極力使わないようにしている)のトライアルに参加する企業を厳選してきた。「すっきりしたインターフェースをつくるためにメチャクチャ努力した」と、カープはインタビューで語った。

「『やあ、ここをチェックして』なんて、ナンセンスなメッセージを表示するのは僕たちのやり方じゃない。もっとスタイリッシュにやりたいんだ」

[2012年6月13日号掲載]

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ビットコイン再び9万ドル割れ、一時6.1%安 強ま

ワールド

プーチン氏、2日にウィットコフ米特使とモスクワで会

ビジネス

英住宅ローン承認件数、10月は予想上回る 消費者向

ビジネス

米テスラ、ノルウェーの年間自動車販売台数記録を更新
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業界を様変わりさせたのは生成AIブームの大波
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 4
    メーガン妃の写真が「ダイアナ妃のコスプレ」だと批…
  • 5
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 6
    「世界で最も平等な国」ノルウェーを支える「富裕税…
  • 7
    「世界一幸せな国」フィンランドの今...ノキアの携帯…
  • 8
    コンセントが足りない!...パナソニックが「四隅配置…
  • 9
    中国の「かんしゃく外交」に日本は屈するな──冷静に…
  • 10
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 4
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 5
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 6
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 7
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 8
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後…
  • 9
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 10
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中