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自分を創る音の風景

vol.3 バレエ・ダンサー 熊川哲也さん

2014年05月22日(木)12時01分

熊川哲也さん

──熊川さんが主宰されるKバレエ・カンパニーにおいて音楽はどのような存在なのでしょうか?
「かなりのウェイトを占めていますね。うちの会社もオーケストラの活動をしていますし、音楽だけのコンサートもたくさん公演していますが、音楽に対するリスペクトがないといけません。ひとつの間・ひとつのステップがズレてしまうだけで本当に台無しになってしまいます。若いころは自分のステップばかりに意識がいきがちなのですが、それだけでは充分ではありません」

──テクニックではなく、音楽をどう感じられるか。
「そういうことですね。ダンサーがいなくても音楽は成立しますけど、我々は音楽とは切っても切れない関係なのです。どのような相乗効果を生み出していけるかを表現していかなければならない」

──熊川さんはバレエ音楽を紹介するラジオ番組に出演されたり、CDの監修も手がけていらっしゃいますね。
「バレエ音楽を聴いているだけでいろんな創造力が広がると思り、ひとつの音楽としても楽しめると思います。たとえ古いものであっても、音楽というのは現代に演奏されればそこに作曲家が生き返るわけです。それは凄いことだと思います。バレエはダンサーのキャリアが終わるとその一瞬は消えてしまうもの。でも、音楽は常に生きているし、ロマンがある。そういうことも伝えていきたいですよね」

──ところで、ご自宅ではどういう音楽を聴いていらっしゃるんですか?
「天候や季節によって聴く音楽を変えています。雨が降っていたらショパンを聴くし、暑い日はハワイアンを聴くし。ただ、スタジオで散々聴いているので、バレエ音楽は聴きませんね。チャイコフスキーにしてもバレエ音楽ではないものを聴きます」

──クラシック以外のものも聴かれるんですね。
「そうですね。ジャズやケルト音楽が好きですね。暑い日はオープン・カーに乗ってボブ・マーリーを聴くこともありますよ(笑)。プライヴェートでは音楽とそのシチュエーションを楽しみたいんです」



PROFILE
熊川哲也(くまかわてつや)バレエダンサー

熊川哲也さんポートレイト1972年北海道生まれ。87年には英国ロイヤル・バレエ学校に入学。89年東洋人として初めて英国ロイヤル・バレエ団に入団し、93年にはプリンシパルに任命された。99年にKバレエ カンパニーを設立し、古典作品にも重きを置きながら意欲的に活動している。2013年には紫綬褒章受章。

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