- HOME
- コラム
- プリンストン発 日本/アメリカ 新時代
- 安倍首相はダボスで何を言ったのか?
安倍首相はダボスで何を言ったのか?
安倍首相はスイスのダボス会議の席上で、海外の記者との懇談の際に、英『フィナンシャル・タイムス』のギデオン・ラッチマン記者から「日本と中国の関係が戦争(war)に発展する可能性がある(conceivable)のではないか」と問われたところ、「今年は第1次大戦から100年を迎える年。当時、英独は大きな経済関係にあったにもかかわらず第1次大戦に至った歴史的経緯があった」と説明したといいます。
この「事件」に関しては、通訳が余計な文言を追加したためにトラブルが大きくなったという解説もあるようです。事の真相は、仮にビデオなり音声が残っているのであれば、それを検証する必要があると思いますが、問題は、このラッチマンという記者だけでなく、多くの有名なジャーナリストが「安倍発言に驚き、かなり深刻な報道をしている」という事実です。
特にアメリカのネット誌『インサイダー』のCEOであるヘンリー・ブロジェット氏はラッチマン記者のコメントをツイートすると共に、「安倍発言問題を含む、日中の緊張がダボス会議の参加者を驚かせた」と報じています。更に、ロイター通信ではスティーブン・アドラー社長が、他の記者との連名で配信した記事の中で「安倍首相はトラブルメーカー」という中国高官の表現を借りつつ、発言を批判しています。
安倍首相の周辺には、その通訳の「一言が余計だった」という点など、色々と言い分はあるかもしれません。何よりも「日中間に危機管理のホットラインを」という提案が真意であるのであれば、何度でもそのことを誠実に説明すべきだと思います。
ですが、仮にそうであっても「第一次大戦で甚大な被害を受けたヨーロッパのど真ん中」で、特に「その大戦を繰り返さないために国際連盟を設置したスイスという国」で、しかもその「国際連盟の常任理事国でありながら自身が脱退することで連盟を事実上潰して再度の世界大戦を戦うことになった」日本の、その「戦前の歴史の名誉回復」に熱心な首相が、「第一次大戦の100周年」というセンシティブな時期にこうした発言をするというのは、日本を「再度孤立化へ」向かわせる自爆行為だと言ってもおかしくないと思います。
更に安倍首相は、同じダボスの地で、CNNキャスターのファリード・ザカリア氏の単独会見に応じています。その内容は、1月26日(日)の同氏がキャスターを務める『ファリード・ザカリアGPS』という番組で放映されています。編集としては、短く刈り込まれたもので、また安倍首相が日本語で喋った上に不十分な英訳ナレーションが乗るという不完全なスタイルでした。
高市早苗新首相と田原総一朗氏との浅からぬ因縁 2025.10.29
国立大卒業生の外資への就職、その背景にある日本の「保守性」 2025.10.22
日本の次期首相に絶対的に必要なのは「円を守り抜く信念」 2025.10.15
いよいよ現実のものになった、AIが人間の雇用を奪う時代 2025.10.08
AI就職氷河期が米Z世代を直撃している 2025.10.01
クールジャパン戦略は破綻したのか 2025.09.24
日本の新政権が向き合うべき、安全保障の「ねじれ」というアキレス腱 2025.09.17
-
プロダクトエンジニア「ポテンシャル採用/大手や外資系など3000社に導入/HR SaaS「ミキワメ」/web系SE・PG/東京メトロ日比谷線虎ノ門ヒルズ駅から徒歩2分/東京都
株式会社リーディングマーク
- 東京都
- 年収400万円~550万円
- 正社員
-
人事・総務事務/「正社員」外資系専門商社 HR業務「在宅週2OK」
マンパワーグループ株式会社
- 東京都
- 年収880万円~
- 正社員
-
人事・総務事務/「正社員」外資系製造メーカーでの人事労務@芝公園
マンパワーグループ株式会社
- 東京都
- 年収400万円~450万円
- 正社員
-
外資系販売店舗の常駐施設警備
ジャパンプロテクション株式会社
- 東京都
- 月給21万8,700円~30万円
- 正社員






