Picture Power

銃撃の被害者、それぞれの物語

SHOT: 101 SURVIVORS OF GUN VIOLENCE

Photographs by Kathy Shorr

銃撃の被害者、それぞれの物語

SHOT: 101 SURVIVORS OF GUN VIOLENCE

Photographs by Kathy Shorr

「傷跡は物語。除去する手術を受けたいと冗談で言ったこともあるけれど、私がいま生きていることが奇跡だし、傷跡はその事実を物語ってくれる。」――Megan Hobson 停車中にAK47自動小銃で一斉射撃を受け、子供を守ろうと上に覆いかぶさった彼女は骨盤を撃ち抜かれた。今も足を引きずって歩くなど後遺症は残っているが、犯人の動機はギャング 団加入のための「儀式」だったとみられる

「傷跡は物語。除去する手術を受けたいと冗談で言ったこともあるけれど、私がいま生きていることが奇跡だし、傷跡はその事実を物語ってくれる。」――Megan Hobson

写真集『SHOT』は銃撃を生き延びた者たちの物語。キャシー・ショアは2013~15年にかけて、全米101人の銃撃被害者の撮影を行った。

被害者の人種や民族は多様で、バックグラウンドも軍人や元ギャング、歌手、銀行幹部、さらには8歳の小学生までと幅広い。全米ライフル協会(NRA)のメンバーで、自らの銃のおかげで一命を取り留めた者もいる。

撮影場所の多くは、彼らが実際に銃撃を受けた場所だ。車の中や自宅、教会、公共交通機関の中など、日常的な場所ばかりで、普通の人たちであってもいつどこで被害に遭うか分からないという現実を物語っている。

ショアが被写体として銃撃の被害者を選んだ理由はいくつかある。高校教師として働いていたとき、銃で殺された家族や友人の写真を持ち歩く生徒を何人も目にしたことも理由の1つだ。

だが銃による暴力を受けた負傷者が、顧みられる機会は少ない。傷が目立たなくなったり服の下に隠れていたりすれば、彼らの心と体の傷は見過ごされやすくなる。銃所持をめぐる議論において、やはり「犠牲者」である彼らの痛みに光が当たることがショアの願いだ。


撮影:キャシー・ショア
米ニューヨーク生まれ。大学で写真と教育を学び、フリーランス・フォトグラファーとして活動している。本作は、新刊写真集『ショット...101サバイバー・オブ・ガン・バイオレンス・イン・アメリカ』からの抜粋

Photographs from "SHOT...101 Survivors of Gun Violence in America" (powerHouse Books) by Kathy Shorr

[2017年6月20日号掲載]



【お知らせ】

『TEN YEARS OF PICTURE POWER 写真の力』

PPbook.jpg本誌に連載中の写真で世界を伝える「Picture Power」が、お陰様で連載10年を迎え1冊の本になりました。厳選した傑作25作品と、10年間に掲載した全482本の記録です。

スタンリー・グリーン/ ゲイリー・ナイト/パオロ・ペレグリン/本城直季/マーカス・ブリースデール/カイ・ウィーデンホッファー/クリス・ホンドロス/新井 卓/ティム・ヘザーリントン/リチャード・モス/岡原功祐/ゲーリー・コロナド/アリクサンドラ・ファツィーナ/ジム・ゴールドバーグ/Q・サカマキ/東川哲也/シャノン・ジェンセン/マーティン・ローマー/ギヨーム・エルボ/ジェローム・ディレイ/アンドルー・テスタ/パオロ・ウッズ/レアケ・ポッセルト/ダイナ・リトブスキー/ガイ・マーチン

新聞、ラジオ、写真誌などでも取り上げていただき、好評発売中です。


MAGAZINE

特集:対中国の「切り札」 インドの虚像

2017-9・26号(9/20発売)

中国包囲網、IT業界牽引、北朝鮮問題解決...... 世界の期待が高まるが、インドの実力と真意は不透明だ

グローバル人材を目指す

人気ランキング

  • 1

    「クラスで一番の美人は金正恩の性奴隷になった」

  • 2

    北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは...

  • 3

    トランプ、北朝鮮の「完全破壊」を警告 初の国連演説で

  • 4

    ロヒンギャを襲う21世紀最悪の虐殺(前編)

  • 5

    世界初の頭部移植は年明けに中国で実施予定

  • 6

    ラットの頭部移植に成功 年末には人間で?

  • 7

    北朝鮮軍「処刑幹部」連行の生々しい場面

  • 8

    女性が怯えて生きるインドのおぞましい現実

  • 9

    中国で性奴隷にされる脱北女性

  • 10

    北朝鮮暴走に対する中国の見解――環球時報社説から

  • 1

    「クラスで一番の美人は金正恩の性奴隷になった」

  • 2

    ビンラディンの「AVコレクション」が騒がれる理由

  • 3

    強気の北朝鮮 メディアが報じなかった金正恩の秘密演説

  • 4

    iPhone新作発表に韓国メディアが呼ばれなかった理由

  • 5

    AV強要の実態に、胸を締めつけられ、そして驚かされる

  • 6

    北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは...

  • 7

    性科学は1886年に誕生したが、今でもセックスは謎だ…

  • 8

    中国は北朝鮮に侵攻して核兵器を差し押さえるか?

  • 9

    トランプ、北朝鮮の「完全破壊」を警告 初の国連演…

  • 10

    iPhoneX(テン)購入を戸惑わせる4つの欠点

  • 1

    「クラスで一番の美人は金正恩の性奴隷になった」

  • 2

    「人肉は食べ飽きた」と自首した男と、とんでもない「仲間」たち

  • 3

    ビンラディンの「AVコレクション」が騒がれる理由

  • 4

    北朝鮮問題、アメリカに勝ち目はない

  • 5

    iPhoneX(テン)購入を戸惑わせる4つの欠点

  • 6

    強気の北朝鮮 メディアが報じなかった金正恩の秘密…

  • 7

    イルカの赤ちゃんはなぶり殺しだった

  • 8

    ダイアナが泣きついても女王は助けなかった 没後20…

  • 9

    iPhone新作発表に韓国メディアが呼ばれなかった理由

  • 10

    北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは...

全く新しい政治塾開講。あなたも、政治しちゃおう。
日本再発見 シーズン2
ニューズウィーク試写会「ザ・サークル」
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版 別冊

0歳からの教育 知育諞

絶賛発売中!