Picture Power

抑圧と発展の20年、変わりゆくチベット

TIBETAN TRANSFORMATION

Photographs by Q.SAKAMAKI

抑圧と発展の20年、変わりゆくチベット

TIBETAN TRANSFORMATION

Photographs by Q.SAKAMAKI

中国・チベット自治区の区都ラサのバルコル(八角街)はにぎやかな市場でもあり、チベット仏教の巡礼路でもある

 私がチベット自治区を初めて訪れたのは97年。15年5月に再訪し、その変化を写真に収めた。

 かつてのチベットでは、中国政府に禁じられていたものの、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世(インドに亡命中)の肖像をよく見掛けた。一方で、中国国旗や指導者の写真はほとんど飾られていなかった。それが今や区都ラサの至る所、特に観光地や寺院・僧院には中国国旗がはためいている。

 経済発展の続く中国から多くの漢民族がチベットに押し寄せ、小さな農村は高層ビルの街へと変わっていく。こうした開発はチベットに繁栄をもたらすと、中国政府は言う。

 しかし多くのチベット人が、開発により自分たちは社会の隅に追いやられると嘆く。新たな労働市場で求められるのは中国語。彼らの多くは中国語があまり話せず、仕事も見つからない。

 08年のチベット騒乱後、中国はチベットへの政治的、社会的、軍事的な締め付けを強化。これに抗議するチベット人の焼身自殺は09年以降、150件近く起きている。中国側はそんな事実を否定し、開発の陰に覆い隠そうとしているかのようだ。

Q.サカマキ


Photographs by Q.SAKAMAKI

<本誌2015年9月29日号掲載>



【お知らせ】

『TEN YEARS OF PICTURE POWER 写真の力』

PPbook.jpg本誌に連載中の写真で世界を伝える「Picture Power」が、お陰様で連載10年を迎え1冊の本になりました。厳選した傑作25作品と、10年間に掲載した全482本の記録です。

スタンリー・グリーン/ ゲイリー・ナイト/パオロ・ペレグリン/本城直季/マーカス・ブリースデール/カイ・ウィーデンホッファー/クリス・ホンドロス/新井 卓/ティム・ヘザーリントン/リチャード・モス/岡原功祐/ゲーリー・コロナド/アリクサンドラ・ファツィーナ/ジム・ゴールドバーグ/Q・サカマキ/東川哲也/シャノン・ジェンセン/マーティン・ローマー/ギヨーム・エルボ/ジェローム・ディレイ/アンドルー・テスタ/パオロ・ウッズ/レアケ・ポッセルト/ダイナ・リトブスキー/ガイ・マーチン

新聞、ラジオ、写真誌などでも取り上げていただき、好評発売中です。


MAGAZINE

特集:2050 日本の未来予想図

2017-8・15号(8/ 8発売)

国民の40%が65歳以上の高齢者になる2050年のニッポン。迫り来る「人口大減少」はこの国の姿をどう変える?

※次号8/29号は8/22(火)発売となります。

グローバル人材を目指す

人気ランキング

  • 1

    北の譲歩は中国の中朝軍事同盟に関する威嚇が原因

  • 2

    自分に「三人称」で語りかけるだけ! 効果的な感情コントロール法

  • 3

    英グラビアモデルを誘拐した闇の犯罪集団「ブラック・デス」とは何者か

  • 4

    「ゴースト」「ドイツの椅子」......ISISが好んだ7種…

  • 5

    韓国の文大統領、北朝鮮と米国の対立緊迫化で外交に…

  • 6

    ISIS戦闘員を虐殺する「死の天使」

  • 7

    軍入隊希望が殺到? 金正恩「核の脅し」の過剰演出…

  • 8

    米軍に解放されたISの人質が味わった地獄

  • 9

    北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは...

  • 10

    北朝鮮の金正恩、軍からグアム攻撃計画受ける 決定…

  • 1

    北朝鮮、グアム攻撃計画8月中旬までに策定 島根・広島・高知通過を予告

  • 2

    米朝舌戦の結末に対して、中国がカードを握ってしまった

  • 3

    自分に「三人称」で語りかけるだけ! 効果的な感情コントロール法

  • 4

    軍入隊希望が殺到? 金正恩「核の脅し」の過剰演出…

  • 5

    英グラビアモデルを誘拐した闇の犯罪集団「ブラック…

  • 6

    北の譲歩は中国の中朝軍事同盟に関する威嚇が原因

  • 7

    トランプ「軍事解決の準備完全」、北朝鮮「核戦争の…

  • 8

    核攻撃を生き残る方法(実際にはほとんど不可能)

  • 9

    北朝鮮巡る軍事衝突のリスク非常に高い、ロシアは回…

  • 10

    海外旅行格差から見える日本社会の深い分断

  • 1

    マライア・キャリー、激太り120キロでも気にしない!?

  • 2

    トランプに「英語を話さない」と言われた昭恵夫人、米でヒーローに

  • 3

    日本の先進国陥落は間近、人口減少を前に成功体験を捨てよ

  • 4

    ロシアが北朝鮮の核を恐れない理由

  • 5

    北朝鮮、グアム攻撃計画8月中旬までに策定 島根・広…

  • 6

    エリザベス女王91歳の式典 主役の座を奪ったのはあ…

  • 7

    米朝舌戦の結末に対して、中国がカードを握ってしま…

  • 8

    自分に「三人称」で語りかけるだけ! 効果的な感情コ…

  • 9

    対北朝鮮「戦争」までのタイムテーブル 時間ととも…

  • 10

    軍入隊希望が殺到? 金正恩「核の脅し」の過剰演出…

全く新しい政治塾開講。あなたも、政治しちゃおう。
日本再発見 シーズン2
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版 別冊

0歳からの教育 知育諞

絶賛発売中!