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IMFがシリア調査団任務終了で声明、金融支援には言及せず

2025年11月18日(火)14時10分

国際通貨基金(IMF)のロゴ。2018年9月、ワシントンで撮影。REUTERS/Yuri Gripas

David Lawder

[ワシントン 17日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)は17日、シリアへの調査団訪問任務終了に伴って発表した声明で、同国経済の復興を手助けするための「集中的な関与プログラム」を策定したと述べたが、金融支援を巡る協議については言及しなかった。

長らくシリアを支配してきたアサド政権崩壊から1年弱が経過し、シャラア暫定大統領は前政権の親イラン路線を放棄して米国に接近する外交政策の転換を図るとともに、14年にわたる内戦で破壊されたインフラの復旧に乗り出した。

こうした中でIMFのシリア調査団を率いるロン・ファンルーデン氏は声明で「シリア経済は回復の兆しを見せ、見通しも改善している。これはシリアの新政権下で消費者と投資家の心理が上向いたことや、制裁解除に伴うシリアの地域・世界経済への段階的再統合、100万人余りの難民の帰還を反映している」と指摘した。

ファンルーデン氏は、10-13日のシリア訪問は来年のシリア政府予算の編成問題に話し合いの重点が置かれたと説明した。この予算は、必要不可欠なニーズへの支出を拡大しつつ、野心的だが現実味のある収入を確保し、各種想定の資金繰りをすることを目指している。

IMFは今後、歳入機構の改善や新たな税法の取りまとめ、債務問題解決策の策定、金融規制整備、決済・銀行システムの再整備、中央銀行機能の再建などに力を貸す方針だ。

シリア向けの金融支援計画には触れていないものの、今回の協議にはシリアの財政・金融セクターのための「詳しい改革のロードマップ」が議題に含まれていたという。

ロイター
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