各国の新気候計画、世界の温室効果ガス排出が減少に転換へ＝国連

国連は１０月２８日、各国政府による最新の気候計画により、今後１０年間で世界の温室効果ガス排出量は減少に転じるものの、気候変動と異常気象の悪化を防ぐには不十分だと指摘した。１３日、ブラジリアで撮影（２０２５年　ロイター/Mateus Bonomi）

Kate Abnett

[ブリュッセル ２８日 ロイター] - 国連は２８日、各国政府による最新の気候計画により、今後１０年間で世界の温室効果ガス排出量は減少に転じるものの、気候変動と異常気象の悪化を防ぐには不十分だと指摘した。

国連気候変動枠組条約（ＵＮＦＣＣＣ）の分析によると、各国の気候変動対策計画が実行された場合、２０３５年までに大気中に追加される温室効果ガスの年間排出量は１９年の水準から１０％減少する。１９９０年以来一貫して増加してきた世界の排出量が着実に減少するとＵＮＦＣＣＣが予測したのは初めて。

ただ、予測される１０％減は、地球温暖化を産業革命以前から摂氏１．５度に抑えるため２０３５年までに必要とされる６０％減にはほど遠い。

来月ブラジルで開催される国連気候変動枠組み条約第３０回締約国会議（ＣＯＰ３０）を前に、各国への取り組み強化圧力となりそうだ。

ＵＮＦＣＣＣのサイモン・スティル事務局長は「人類はまだ十分ではないが、初めて排出曲線を明確に下方に曲げている」と指摘。声明で「今こそＣＯＰ３０と世界がそれに応え、いかにスピードアップするかを示す時だ」と述べた。