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ユーロ圏の銀行、ドル調達難で融資抑制のリスク=レーンECB理事

2025年10月21日(火)18時54分

 10月21日、欧州中央銀行(ECB)のチーフエコノミストであるレーン専務理事(写真)は、米ドル資金の調達難が起きた場合、ユーロ圏の銀行は実体経済への貸し出し抑制を迫られる可能性があると指摘した。2019年撮影(2023年 ロイター/Gary He)

[フランクフルト 21日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のチーフエコノミストであるレーン専務理事は21日、米ドル資金の調達難が起きた場合、ユーロ圏の銀行は実体経済への貸し出し抑制を迫られる可能性があると指摘した。

理事は「多額の米ドル建てオフバランス(簿外)エクスポージャーと不安定な資金調達の組み合わせは、ネットのエクスポージャーが突如変化する可能性が否定できないことを意味する」と指摘。

「このようなリスク事象が発生する可能性が高まれば、銀行のバランスシート(貸借対照表)の両側が圧迫され、実体経済への貸し出しのようなオンバランスシートのエクスポージャーに下方圧力がかかる可能性がある」と述べた。

レーン氏は、ユーロ圏の銀行が米ドル建て現金バッファーを積み上げており、2021年末に85%程度だった流動性カバレッジ比率(LCR)は現在110%を大きく上回っていると指摘。LCRが100%超えると、銀行がストレス期間30日の純現金流出をカバーするのに十分な品質の高い売却が容易な資産を保有していることを意味する。

「米ドル建てLCR引き上げでユーロ圏の銀行は近年、進展を見せており、4月初めに為替変動がピークに達したときでも、大きな流動性逼迫はなかった。ただし今年残りの期間の流動性管理の計算法を変えた可能性もある」と語った。

ロイター
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