ニュース速報
ビジネス

NY外為市場=ドル全面高、中東緊迫化で安全資産需要

2026年03月04日(水)06時23分

ニューヨーク外為市場では、ドルが円のほか、ユーロ、英ポンド、スイスフランなどの主要通貨に対して大幅に上昇した。2025年6月18日撮影(2026年 ロイター/Dado Ruvic)

[ニュ‌ーヨーク/ロンドン 3日 ロイター] - ニ‌ューヨーク外為市場では、ドルが円のほ​か、ユーロ、英ポンド、スイスフランなどの主要通貨に対して大幅に上⁠昇した。中東情勢の緊迫化​を背景に世界的にインフレが長期化するとの懸念が高まり、安全資産としてのドルの需要が拡大している。

2月28日にイランに対する軍事攻撃が始まってから4日目になるこの日は、米国とイスラエルがイラン各⁠地の標的を空爆し、これに対しイランが湾岸地域に報復攻撃を行う中、戦闘はイスラエルの隣国レバノ⁠ンに​も拡大。こうした中、米国の資産は相対的に安全資産と見なされており、エネルギー自給率の高さや堅調な経済などを背景にドルの下支えになっている。

チャールズ・シュワブのマクロ調査・戦略責任者、ケビン・ゴードン氏は「今回の中東情勢の緊迫化に起因する打撃は欧州やそ⁠の他の原油輸入国に偏っているが、市場‌ではそうしたことが強く意識されている」と指摘。「債券市場は恩恵を⁠受け⁠ていないとしても、ドルは依然として安全資産と見なされている」と述べた。

米国はエネルギーの純輸出国であるのに対し、欧州と日本は米国よりもエネルギーコスト上昇の影響を受けやすい。こうした構造が為替‌相場の動きにも反映され、終盤の取引でユーロ/ドルは0.6%安​の1.1616ドル。‌ユーロは対ドルで⁠一時、昨年11月下旬以来の安​値を付けた。

ドル/円は0.2%高の157.61円。ドルは一時、ニューヨーク連銀がレートチェックを実施したと伝わった1月23日以来の高値を付けた。

片山さつき財務相はこの日の閣議後会見で、イラン情勢の緊迫化を受け、金融市場で「大きな変動が生じて‌いると認識している」と言及。足元の市場動向について「市場動向を極めて高い緊張感を持って注視してい​る」と述べた。

インフレ高進への懸念か⁠ら米連邦準備理事会(FRB)による早期の追加利下げ観測が後退していることもドルの支援要因になっている。市場が見込む6月会合での利下げ​の可能性は35%程度まで低下。7月会合までの利下げの可能性は、数日前の70%以上から55%に低下した。その後の利下げ観測も低下しており、年末までにあと2回利下げする可能性は56%程度となっている。

ドル/円 NY午後4時 157.66/157.67

始値 157.68

高値 157.95

安値 157.48

ユーロ/ドル NY午後4時 1.1617/1.1618

始値 1.1596

高値 1.1625

安値 1.1531

ロイター
Copyright (C) 2026 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

情報BOX:米・イスラエルのイラン攻撃後の中東にお

ワールド

トランプ氏、ペルシャ湾タンカーの保険支援を指示 海

ワールド

仏、空母「シャルル・ドゴール」を地中海に派遣 大統

ビジネス

ECBは当面金利据え置くべき、戦争の影響不透明=ラ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプのイラン攻撃
特集:トランプのイラン攻撃
2026年3月10日号(3/ 3発売)

核開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。イランとアメリカの本格戦争は始まるのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 2
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズった理由
  • 3
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び率を記録した「勝因」と「今後の課題」
  • 4
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 5
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 6
    核合意寸前、米国がイラン攻撃に踏み切った理由
  • 7
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 8
    人気の女性インフルエンサー、「直視できない」すご…
  • 9
    イランへの直接攻撃は世界を変えた...秩序が崩壊する…
  • 10
    「日本食ブーム」は止まらない...抹茶、日本酒に「あ…
  • 1
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 2
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの謎判定に「怒りの鉄拳」、木俣椋真の1980には「ぼやき」も
  • 3
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 4
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 5
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 6
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 7
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 8
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 9
    中国で今まで発見されたことがないような恐竜の化石…
  • 10
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中