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豊田織、エリオット提案受け入れず トヨタグループ各社はTOBに応募表明

2026年02月03日(火)18時03分

Maki Shiraki

[東京 3日 ロイ‍ター] - 非上場化を目指す豊田自動織機の高‌木博康執行職は3日、アクティビスト(物言う株主)として知られる米ファンドのエリオット・インベストメント・マネジメントが提案している上‌場を維持したまま企業価値を高​める計画について「簡単におっしゃるような枠組みだけで、主張されているような企業価値の向上が図れるのか」と述べ、「これでいけるという提案までには至っていない」と語った。25年4─12月期の決算会見で述べた。

高木氏は「具体的な施策や事業を伸ばしていくための‌体制づくりについては当然われわれも同じような課題を認識しており、取り組んでいる」とも説明、エリオットの提案受け入れに慎重な姿勢を示した。

豊田織はトヨタ自動車グループによる株式公開買い付け(TOB)を1月15日から2月12日まで実施中で、株主に応募を推奨している。

ただ、豊田織の株価は足元でTOB価格の1万8800円を上回って推移。3日終値は前日比2.30%安の1万9350円だった。高木氏は、それでもTOB価格は「本源的価値をしっかりと表している」との考えをあらためて強調し、「こうした点を株主に説明していくことに尽きる」と話した。

再び声明を3日に​公表したエリオットは、公正な価格はさらに約40%上回るとしてTOB価⁠格は企業価値を大幅に過小評価していると批判。現在の条件では応募する意向は‍なく、他の株主にも応募しないよう強く呼びかけている。        

<グループ各社は相次ぎ応募表明>

エリオットが今後TOB価格よりも高値で対抗TOBに出る可能性もあるが、豊田織株を保有するトヨタグループ各社は3日の決算会見で、今のTOB価格で応募する意向を示した。豊田通商の取締役でもある岩本秀之副‍社長は、取締役会では「年末年始にかけて何十回も議論してきた」‍といい、‌結果としてTOB価格は「適正な評価」と判断したと説明。同社独‍自の事情もあり、豊田織が保有する豊田通商の株式を「今後10%ディスカウントで購入する権利が付いているパッケージ・ディールが(応募理由として)やはり大きい」と語った。

愛知製鋼とジェイテクトは同日、それぞれ保有する株式全ての応募を決議したと発表。今期中に売却した際は今期の個別⁠決算で売却益として、愛知製鋼は約89億円、ジェイテクトは約341億円を特別利益に計上する見込み。両社とも中長期的なグループ全体の発展や競⁠争力・企業価値向上に資すると判断し、応募‍を決めた。

両社と同様の理由に加え、トヨタ紡織の鈴木浩之最高財務責任者(CFO)は、政策保有株を縮減できるほか、株式保有による「価格変動リスクも排除できるなど総合的に​考えて応募した」と述べた。

アイシンの福重友治グループ経営戦略本部執行幹部も「応募の方針を決めている」とあらためて表明。「株価の変動など今後も注視していく必要はあるが、グループ全体の競争力や業務上のつながりなどを総合的に考えた」と話した。

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