米政策金利、FFよりレポ翌日物が妥当 ダラス連銀論文
写真はダラス連銀のローガン総裁。米テキサス州エルパソで5月撮影。REUTERS/Ann Saphir
Michael S. Derby
[ニューヨーク 16日 ロイター] - 米ダラス地区連銀が16日公表した論文で、米国の金融政策目標を達成する上で政策金利を変更することが妥当だとの見解が示された。
論文の筆者は同連銀のローガン総裁の上級顧問を務めるサム・シュルホファー・ウォール氏で、米連邦準備理事会(FRB)の政策金利としては現在のフェデラルファンド(FF)金利よりもレポ市場のTGCR(取引量加重中央値の翌日物レポ金利)が好ましいと主張している。
ローガン氏も9月の講演で、FRBは政策金利をTGCRに切り替えるべきだとの見解を示した。
シュルホファー・ウォール氏は、幅広い借り入れコストに及ぼすFF金利の影響力は完全に消滅してはいないが、「ここ数カ月で弱まってきた」と分析。2018年から20年の期間ではFF金利よりもTGCRの政策波及効果の弱まり方が小さいし、最近数カ月ならばTGCRの弱まり方がずっと小幅だと付け加えた。
背景には金融政策の枠組みの変化、特に大規模な債券購入を政策補完手段として導入することで金融システムに大量の資金が流入し、FF金利は他の短期市場に比べて取引量が乏しく、脇役的存在になったことがある。
それでもFRBがFF金利を政策金利としているのは、FF金利が他の短期金利と引き続き連動し、結果的に依然として他の短期金利に意味のある影響力を保っているからだと指摘されている。
ただローガン氏は講演で、現状が持続する公算は乏しいと警告。「今のところFF金利を政策目標にして金融環境全体を効果的にコントロールできているが、(他の短期市場との)つながりは脆弱で突然断絶しかねない。連邦公開市場委員会(FOMC)はそうしたリスクを解消しなければならない」と訴えている。





