NY外為市場=ドル下落、FRB議長が利上げの可能性否定
写真は2023年3月、米ニューヨーク連銀前で撮影。REUTERS/Brendan McDermid
[ニューヨーク 10日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、米連邦準備理事会(FRB)が市場の予想通り利下げを決定したことを受け、ドルがユーロや円など主要通貨に対して下落した。
FRBはこの日までの2日間の日程で開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%ポイントの利下げを決定。利下げは9月と10月に続き3会合連続だった。ただ、インフレは依然としてやや高止まりしているとし、労働市場と物価情勢を見極めるため利下げを一時停止する可能性を示唆。FOMCにあわせて公表された参加者の政策金利見通し(ドットチャート)では、2026年にと27年にそれぞれ1回の0.25%ポイントの利下げが行われるとの見通しが示された。
パウエルFRB議長はFOMC後の記者会見で「新たな金利・経済見通しに基づくと、次の動きが利上げになる可能性は低い」とし、「利上げが誰にとっても基本シナリオだとは思わない」と言及。ドルに対する一段の重しになった。
メシロウ・カレンシー・マネジメント(シカゴ)のシニア投資ストラテジスト、ウト・シノハラ氏は「市場では今回の利下げは完全に織り込まれていたが、FOMCの結果発表後にドル相場が乱高下したことで、市場の動意になる経済指標の欠落などが浮き彫りになった」と指摘。「パウエル議長は今後の景気動向を見極めていく体制は整っていると述べたものの、労働市場を巡る懸念の高まりや関税に関連するインフレ動向がドル相場の重しになった」と述べた。
終盤の取引でドル/円は0.6%安の155.92円。ユーロ/ドルは0.6%高の1.1691ドル。主要通貨に対するドル指数は0.6%安の98.66。
ドル/円 NY午後4時 155.93/155.94
始値 156.69
高値 156.75
安値 155.80
ユーロ/ドル NY午後4時 1.1693/1.1695
始値 1.1635
高値 1.1699
安値 1.1628
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