ニュース速報
ビジネス

中国の乗用車販売、11月は前年比-8.5% 10カ月ぶりの大幅減

2025年12月08日(月)19時11分

写真はEVの生産ライン。4月2日、安徽省の合肥市で撮影。REUTERS/Florence Lo

[北京 8日 ロイター] - 中国の11月の乗用車販売は前年同月比8.5%減の224万台と、2カ月連続で減少した。年末の政府補助金縮小を控えた駆け込み需要が弱まり、過去10カ月で最大の落ち込みとなった。

中国乗用車協会が8日発表した。10月は0.8%減だった。

同協会の幹部は、年末は例年、販売が堅調な傾向にあることから今回の大幅な落ち込みは「異常」だとし、17年前の状況を想起させると述べた。「消費に圧力がかかっていた2008年にも同様の異常があった」という。

電気自動車(EV)とプラグインハイブリッド車(PHEV)の販売は総販売の58.9%と、過去最高の比率だった。政府の下取り制度を通じたEV・PHEVの購入は、1─11月で1120万台を超えた。

年末に向けて政府補助金が縮小することが、全国的に消費者心理を冷やしているとみられる。

CMBIのアナリストは、2026年の乗用車販売は、競争が一段と激化し、横ばい圏にとどまると予測。「新型車の数が過去最多となる可能性がある」との見方も示した。

多くの自動車メーカーは、26年からEVとPHEVの購入税優遇が半減するのを前に、年内の注文に対し最大1万5000元(約2120ドル)の補助を打ち出している。納車が翌年にずれ込む可能性もある。

国内EV大手のBYDは、吉利汽車や零跑汽車(リープモーター)など、低価格帯で販売を伸ばす競合他社との競争が激化する中、11月の販売が前年割れとなった。輸出は過去最高だったものの、世界販売は3カ月連続の減少となり、今年の下方修正後の販売目標に対する達成率は91%にとどまっている。

テスラの11月の中国販売は7万3145台。3年ぶりの低水準だった10月の2万6006台から回復した。

攻勢を強める新興勢力の小米(シャオミ)は、11月も4万台超の販売を3カ月連続で達成し、年間販売目標35万台をすでに達成した。

業界全体の輸出台数は52.4%増と、10月の27.7%増から伸びが加速した。

CMBIによると、来年の中国の乗用車輸出の伸びの大半はEVとPHEVが占め、EVとPHEVの輸出は40%増の283万台に達する見通しだ。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

中国、米安保戦略に反発 台湾問題「レッドライン」と

ビジネス

インドネシア、輸出代金の外貨保有規則を改定へ

ワールド

野村、今週の米利下げ予想 依然微妙

ビジネス

中国の乗用車販売、11月は前年比-8.5% 10カ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 2
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 3
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...かつて偶然、撮影されていた「緊張の瞬間」
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 7
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 8
    『ブレイキング・バッド』のスピンオフ映画『エルカ…
  • 9
    仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、…
  • 10
    ビジネスの成功だけでなく、他者への支援を...パート…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 7
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 8
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 9
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 10
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中