午前のドルは153円後半で軟調、ポジション調整の売り続く
5月16日、午前のドルは、前日のニューヨーク市場終盤(154.87/89円)から下落し153円後半で推移している。写真は2022年9月撮影(2024年 ロイター/Florence Lo)
Mariko Sakaguchi
[東京 16日 ロイター] - 午前のドルは、前日のニューヨーク市場終盤(154.87/89円)から下落し153円後半で推移している。ドルは一時153.60円付近と1週間半ぶりの安値水準を付けた後やや買い戻しが入ったものの、再び売り圧力が強まっている。
ドルは朝方からじりじりと下落。仲値公示にかけては「国内輸出企業による売りが出ている一方、ドルが一段と下がるとの見方から国内輸入企業の買いは控えられている印象だ」(国内銀の為替セールス担当)という。
また「(ドルは)157円を付けられなかったことから上値の重さが意識されているほか、前日の米経済指標や米金利低下を背景に、ポジション調整が入っている」とりそな銀行の総合資金部市場トレーディング室、田中春菜氏は話す。
前日発表された4月の米消費者物価指数(CPI)の伸びが鈍化したことに加え、同時に発表された小売売上高とNY州製造業業況指数が予想を下回ったこと受けて、市場では年内2回の利下げ観測が強まった。時間外取引の米長期金利は4.32%付近と4月5日以来の低水準で推移している。
SBIリクイディティ・マーケットの金融市場調査部長、上田真理人氏は「トレンドがドル安に変わったわけではないが、ドル高は一服した」と指摘。米国より先に利下げするとの見方から売られていたユーロやポンドなどの買い戻しが入りやすいとみる。
ユーロ/ドルは一時、1.0895ドル付近と、3月21日以来の高水準まで上昇した後、足元では1.0885ドル付近で推移している。