午前の日経平均は続伸、米CPI後の株高好感 円高で伸び悩みも
5月16日、午前の東京株式市場で日経平均は、前営業日比283円84銭高の3万8669円57銭と続伸した。写真は株価ボード。都内で2月撮影(2024 ロイター/Issei Kato)
Noriyuki Hirata
[東京 16日 ロイター] - 午前の東京株式市場で日経平均は、前営業日比283円84銭高の3万8669円57銭と続伸した。米消費者物価指数(CPI)の伸び鈍化を受けて金利が低下し、米株の主要3指数が高値を更新したことを好感する動きが先行した。一方、買い一巡後は伸び悩んだ。為替はドル安/円高基調となり、輸出関連株を中心に上値が抑制された。
日経平均は260円高で寄り付いた後も、一時511円高の3万8897円53銭に上値を伸ばした。米国市場でCPIの発表後に金利が低下しハイテク株を中心に株高となった流れを受けて、半導体関連やハイテク株といった指数寄与度の高い銘柄群がしっかりだった。
一方、市場では「(朝方発表の)国内総生産(GDP)の弱い結果や為替の円高に加え、日銀のタカ派懸念がじわりと効いており、上がったところでは利益確定売りが出やすい」(松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリスト)との見方が聞かれ、買い一巡後は伸び悩んだ。
ドル/円が一時153円台に下落し、輸出関連の代表格となる輸送用機器は軟調。金利が低下する中、銀行株はさえなかった。TOPIXは序盤からマイナスに転じた。
プライム市場では値上がり銘柄数を値下がり銘柄数が上回った。一方、日経平均は、東京エレクトロン、アドバンテスト、リクルートホールディングス、ソフトバンクグループの4銘柄で230円程度押し上げられており「一部の株高が指数を押し上げる構図が鮮明」(国内証券のストラテジスト)となった。
2024年1─3月期のGDP速報値は、物価変動の影響を除いた実質(季節調整値)が前期から0.5%減り、2四半期ぶりにマイナスとなった。年率換算では2.0%減。一部自動車メーカーの認証不正問題に伴う生産・出荷停止など特殊要因が影響し、個人消費や設備投資が押し下げられた。
TOPIXは0.26%安の2723.69ポイントで午前の取引を終了した。東証プライム市場の売買代金は2兆7135億8700万円だった。東証33業種では、値上がりはその他製品やサービス、電気機器など12業種で、値下がりはパルプ・紙や輸送用機器、鉄鋼など21業種だった。
ニトリホールディングスがしっかり。大規模な自社株買いが好感されクレディセゾンは急伸。一方、自社株買いなどが物足りないと受け止められた三菱UFJフィナンシャル・グループが大幅安。東京海上ホールディングスやトヨタ自動車は軟調だった。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが527銘柄(31%)、値下がりは1079銘柄(65%)、変わらずは43銘柄(2%)だった。