ニュース速報

ビジネス

公認会計士協会が特別レビュー、上場企業の監査事務所に

2016年01月28日(木)00時36分

 1月27日、公認会計士協会が、上場企業を監査する監査事務所を対象に「特別レビュー」を実施する。写真は都内のオフィスビル群。昨年7月撮影(2016年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 27日 ロイター] - 公認会計士協会は27日、上場企業を監査する監査事務所を対象に「特別レビュー」を実施すると発表した。東芝<6502.T>の不正会計問題で、同社の監査を担当してきた新日本監査法人が金融庁から行政処分を受けるなど、監査への信頼が揺らいでいることへの対応策の一環。

特別レビューは、特定の事項について臨時の調査を行うために協会が昨年設けた制度で、初めての実施となる。今回は、27日付で森公高会長名で出した「会長通牒」の履行状況を確認する。

通牒では、財務諸表に重要な虚偽表示が生じるリスクを適切に識別・評価することの徹底や、会計士としての「職業的懐疑心」の保持・発揮を求めた。2月中に上場企業の監査を担当する約160の監査法人から通牒に盛り込まれた事項の履行状況を報告させる。また、4月から、通常の「品質管理レビュー」の一環で立ち入り調査を行って通牒の順守状況をチェックする。監査法人による協会への報告内容は、3月に公表する。

森会長は会見で「被監査会社の社会的名声などにとらわれることなく、監査人は常にゼロベースで監査に向き合う必要がある」と述べた。

協会は、監査不信克服のための施策の1つとして、監査手続きの強化に向けた会議も設置する。協会の監査担当役員、品質管理担当役員らをメンバーに、職業的懐疑心が発揮できるようにするための環境整備や監査法人の透明性向上、監査報告書の長文化の是非などについて議論を行い、提言を出す方針だ。

会計士協会では、新日本監査法人による東芝の監査に問題がなかったか、協会内の監査業務審査会が調査にあたってきた。調査の結果、審査会は新日本監査法人の監査に「改善を要する事項があった」と認定。今後、規律調査会に場を移し、協会としての処分の要否を検討する。

(和田崇彦)

ロイター
Copyright (C) 2016 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

10月経常収支は2兆8335億円の黒字=財務省

ワールド

世界の食料価格、11月は3カ月連続下落 1月以来の

ビジネス

午前の日経平均は小幅続落、ソフトバンクGが押し下げ

ワールド

米議会、国防権限法案を公表 トランプ氏要求上回る9
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 2
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 3
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...かつて偶然、撮影されていた「緊張の瞬間」
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 7
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 8
    『ブレイキング・バッド』のスピンオフ映画『エルカ…
  • 9
    仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、…
  • 10
    ビジネスの成功だけでなく、他者への支援を...パート…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 6
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 7
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 8
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 9
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 10
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中