ニュース速報

ビジネス

トヨタ、ダイハツの完全子会社化検討 スズキと提携も模索

2016年01月27日(水)16時19分

トヨタ自動車がダイハツ工業の完全子会社化とスズキとの提携を検討していることが分かった。写真はカリフォルニアで昨年12月撮影(2016年 ロイター/Mario Anzuoni)

[東京 27日 ロイター] - トヨタ自動車<7203.T>がダイハツ工業<7262.T>の完全子会社化とスズキ<7269.T>との提携を検討していることが分かった。複数の関係筋によると、トヨタは小型車を手掛けるダイハツを取り込み、グループ内での小型車事業の効率化を狙う。スズキとは同社が圧倒的に強いインド市場での協業や、環境・安全技術分野での連携などを模索している。

トヨタは世界販売4年連続首位だが、2016年はタイなど一部の新興国での低迷により前年並みを見込んでいる。低価格の小型車生産技術に強みを持つダイハツやスズキとの協業を深め、小型車需要が高く、今後成長が見込まれる新興国での競争力強化を狙う。

トヨタが約51%を出資するダイハツも、国内では増税の影響や少子高齢化の進展で主力の軽自動車市場の縮小が予想され、両社で小型車事業の競争力を高めたい考え。

大きな成長が期待されるインドでは、シェア約4割の首位スズキに対し、トヨタは約4%にとどまる。トヨタはスズキの販売網などを活用すれば市場開拓につなげられる。現地では大気汚染も問題になっており、環境対応車の需要も高い。スズキにとっても環境技術で先行するトヨタとの連携にはメリットがある。

スズキはまた、十分な利益を生んでいないタイなどでトヨタの事業基盤を活用できればコスト削減も実現しやすい。巨額の開発費用がかさむ環境技術や自動運転などの安全技術でトヨタの支援も得られる。スズキの鈴木俊宏社長は21日の会見で、まず自社でやってみて「その上で単独でやれなければ(他社との)連携もありうる」と述べていた。

スズキはまた、昨年、独フォルクスワーゲン(VW)との資本提携を解消。VWが保有していたスズキ株19.9%を買い戻しており、株の引き受け先を探していることから、トヨタが買い手になる可能性もある。

トヨタは1967年にダイハツと業務提携後、同社株を段階的に買い増し、1998年には過半数を取得。両社はこれまでも共同開発や、ダイハツがトヨタの開発した車の受託生産をしたり、OEM(相手先ブランドによる)生産などを引き受けてきた。

トヨタ広報は、ダイハツとは「完全子会社化を含めて提携や事業再編についてさまざまな検討をしている」とし、「現時点では決定した事実はない」と発表。一方、トヨタとスズキが提携交渉に入ったとの報道には、両社とも「そのような事実はない」とコメントしている。

(白木真紀 編集:内田慎一)

ロイター
Copyright (C) 2016 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ゴールドマン、26年のインド成長率見通し下方修正 

ビジネス

2月百貨店売上1.6%増で2カ月連続プラス、インバ

ビジネス

アリババ、次世代半導体発表 AIエージェント対応強

ビジネス

ブロードコム、供給制約を指摘 「TSMCの生産能力
MAGAZINE
特集:BTS再始動
特集:BTS再始動
2026年3月31日号(3/24発売)

3年9カ月の空白を経て完全体でカムバック。世界が注目する「BTS2.0」の幕開け

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    レストラン店内で配膳ロボットが「制御不能」に...店員も「なすすべなし」の暴走モード
  • 2
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」モナコ舞踏会に見る富と慈善
  • 3
    イランは空爆により核・ミサイル製造能力を「喪失」した──イスラエル首相
  • 4
    「胸元を強調しすぎ...」 米セレブ、「目のやり場に…
  • 5
    【クイズ】2年連続で「世界幸福度ランキング」で最下…
  • 6
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ…
  • 7
    スウェーデン次期女王ヴィクトリア皇太子、陸軍訓練…
  • 8
    中国の公衆衛生レベルはアメリカ並み...「ほぼ国民皆…
  • 9
    「買ったら高いじゃん?」アカデミー賞会場のゴミ箱…
  • 10
    「カメラの目の前」で起きた爆発の瞬間...取材中の記…
  • 1
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 2
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え時の装いが話題――「ファッション外交」に注目
  • 3
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 4
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 5
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
  • 6
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 7
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 8
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ…
  • 9
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 10
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラ…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中