ニュース速報

ビジネス

インフレ押し上げへ十分な手段、責務遂行に決意と意欲=ECB総裁

2016年01月23日(土)01時18分

 1月22日、欧州中央銀行のドラギ総裁は、ECBはインフレ押し上げに向けた手段を十分有しており、責務を果たすために行動する決意と意欲があると表明した。写真はスイスのダボスで撮影で撮影(2016年 ロイター/Ruben Sprich)

[ダボス(スイス) 22日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は22日、ECBはインフレ押し上げに向けた手段を十分有しており、責務を果たすために行動する決意と意欲があると表明した。

世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で、「われわれには多くの手段があり、行動を起こし、これらの手段を用いる決意と意欲と能力がある」と語った。

ECBは前日の理事会で政策金利の据え置きを全会一致で決定。ただ理事会後の記者会見でドラギ総裁は金融市場の混乱や原油安、中国など新興国の経済減速を背景にユーロ圏経済への逆風が強まっているとして、3月の理事会で政策スタンスを見直す考えを表明した。

ドラギ総裁はこの日、年初から金融市場が大荒れとなっていることについて、「リスクに対しこれまでよりも神経質になっているのは確かだが、見通しが変化したと考えるのは時期尚早だ」とし、「少なくともわれわれは基本的に回復は緩やかなペースで継続していると見ている」と指摘、市場の動乱により世界的な景気見通しが悪化したと考えるのは早過ぎるとの考えを示した。

また、欧米の金融政策の方向性がかい離していることに対する懸念も一蹴。方向性のかい離の背景には欧米の景気回復サイクルが一致していないことがあるとし、「金融政策が異なるのはごく自然なことで、当面はかい離した状況が続く。これは正常なプロセスだ」と述べた。

ユーロ圏経済については、低金利政策と原油安が一部押し上げ要因となり回復しているとの認識を表明。各国政府の財政政策も「拡張的ではないまでもおおむね中立的」となり、景気支援に貢献していると述べた。

ドラギ総裁と同じパネルに出席したECBのクーレ専務理事は、ECBの量的緩和策(QE)は効果を発揮していると指摘。域内企業の平均資金調達コストはQE開始以降、80ベーシスポイント(bp)低下したとし、ユーロ圏の資本市場は「著しく改善した」との認識を示した。

*内容を追加して再送します。

ロイター
Copyright (C) 2016 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

午前の日経平均は続伸、一時4万3000円回復 米関

ビジネス

インタビュー:先端素材への成長投資加速、銅製錬は生

ワールド

韓日米、15日から年次合同演習実施 北朝鮮の脅威に

ビジネス

トランプ氏対FRBの構図、市場が波乱要素として警戒
MAGAZINE
特集:豪ワーホリ残酷物語
特集:豪ワーホリ残酷物語
2025年9月 9日号(9/ 2発売)

円安の日本から「出稼ぎ」に行く時代──オーストラリアで搾取される若者たちの実態は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【動画あり】9月初旬に複数の小惑星が地球に接近...地球への衝突確率は? 監視と対策は十分か?
  • 2
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニングをする女性、異変を感じ、背後に「見えたモノ」にSNS震撼
  • 3
    「よく眠る人が長生き」は本当なのか?...「睡眠障害」でも健康長寿な「100歳超えの人々」の秘密
  • 4
    「生きられない」と生後数日で手放された2本脚のダ…
  • 5
    「あのホラー映画が現実に...」カヤック中の男性に接…
  • 6
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体…
  • 7
    世論が望まぬ「石破おろし」で盛り上がる自民党...次…
  • 8
    【クイズ】世界で2番目に「農産物の輸出額」が多い「…
  • 9
    SNSで拡散されたトランプ死亡説、本人は完全否定する…
  • 10
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 1
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が下がった「意外な理由」
  • 2
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動ける体」をつくる、エキセントリック運動【note限定公開記事】
  • 3
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体」をつくる4つの食事ポイント
  • 4
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 5
    豊かさに溺れ、非生産的で野心のない国へ...「世界が…
  • 6
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ…
  • 7
    【動画あり】9月初旬に複数の小惑星が地球に接近...…
  • 8
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 9
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害…
  • 10
    首を制する者が、筋トレを制す...見た目もパフォーマ…
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を呼びかけ ライオンのエサに
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 9
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 10
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中