コラム

次期大統領候補だったルペンが有罪に、ここから始まるフランス政界大混迷

2025年04月09日(水)16時48分

電子ブレスレット姿の大統領候補?

その影響はバイル首相にも及ぶかもしれない。少数与党中心のバイル内閣は、国民議会(下院)の第3勢力である国民連合の支持を求めている。ルペンの控訴の行方は現政権の運命も左右する。

さらに、バイルも欧州議会の資金を不正流用した疑いがある。昨年2月に無罪判決を受けたものの、検察側は控訴。ルペンに対する控訴裁判所の姿勢は、バイルに新たに迫る裁判にも影響を与えかねない。


得をしそうなのは、代わって大統領候補に指名される可能性があるバルデラだ。とはいえ恩人ルペンを裏切ったとか、出世に熱心すぎると見なされれば、党内で支持を失うリスクがある。ルペン自身、現在29歳のバルデラが大統領候補になるのは「時期尚早」ではないかとの考えを示している。

フランスの世論調査では、ルペンの有罪判決を支持する人の割合が61%に上る。それでも、例によって自らの法的苦境を政治的問題にすり替える論法は、フランスの法治と政治制度の安定を脅かし続けることになるだろう。ルペンがまさかの大統領選候補になるとしても、犯罪者として電子ブレスレット姿で歩くことになるとしても。

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グレン・カール

GLENN CARLE 元CIA諜報員。約20年間にわたり世界各地での諜報・工作活動に関わり、後に米国家情報会議情報分析次官として米政府のテロ分析責任者を務めた

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