コラム

フランス政治は大混迷も、ルペンにとって2025年は厳しい年に...「壊し屋」の誤算と、腹心の裏切り

2025年01月04日(土)12時06分

マクロンが大統領選を前倒しする可能性はあるか?

24年7月の総選挙の結果、過半数勢力が不在の国民議会は、憲法の規定で25年7月まで解散できない。混迷の中、エマニュエル・マクロン大統領は12月13日、中道のフランソワ・バイル新首相を任命。だが来年度予算案をはじめ、困難な課題が山積みの新政権は安定には程遠い。ルペンは政府・財政・制度・憲法にまたがる4重危機を引き起こした形だ。

ルペンの狙いは、国家的混乱の解決を名目に大統領選の前倒しを迫ることなのか。自身への判決が出る25年3月末より前に実施せよ、と。そのとおりなら、愚かもいいところだ。


現在の危機の責任はマクロンにある。24年6月の欧州議会選で与党連合が国民連合に大敗したことを受けて、マクロンは突然、国民議会の解散・総選挙を決めた。

現状に不満を抱く国民が、不満の元凶と見なす与党を(なぜか)支持してくれるだろうと、これまた愚かな期待を抱いたからだ。マクロンがまたも恥辱を覚悟し、自らの任期を2年間短縮しかねない賭けに出るとは思えない。

24年12月に政府を混乱に陥れたルペンは、既に「新年の目標」を達成し尽くしたのかもしれない。新しい年、ルペンが有罪判決を受け、政治活動を5年間禁じられる可能性は高い。さらにバルデラは明らかに、指導者の座を狙っている。

プロフィール

グレン・カール

GLENN CARLE 元CIA諜報員。約20年間にわたり世界各地での諜報・工作活動に関わり、後に米国家情報会議情報分析次官として米政府のテロ分析責任者を務めた

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