コラム

トランプお墨付きの「Qアノン」が笑い事では済まされない理由

2020年09月17日(木)18時30分

Qアノンの陰謀論はばかげていて、トランプには品も原理原則も知性もなく無能である──エリート層の主張は事実だが、教育をあまり受けていない白人にとって、こうした「蔑視」はQアノンの主張を裏付ける証左となり、怒りの火種となる。

人々を動かしているのは感情、つまり「他者」がこの国を自分たちから奪うという恐怖だ。だからこそトランプはQアノン信奉者を取り込んだ。感情という要素抜きにはQアノンの米社会主流への浸透は説明できないし、屈辱感ほど強力で潜在的に危険なものはない。FBIは今、Qアノンが国内テロの源泉になり得るとみている。

Qアノンの狂気とトランプの無知を笑うのは簡単だ。だが本当に笑われるべきは、米社会を建国以来揺さぶってきた社会的・政治的な衝動の深刻さを軽視する人々だ。感情が支配する波は、この分断の時代に米政治の最前線に再び押し寄せている。

<本誌2020年9月22日号掲載>

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9月22日号(9月15日発売)は「誤解だらけの米中新冷戦」特集。「金持ち」中国との対立はソ連との冷戦とは違う。米中関係史で読み解く新冷戦の本質。

プロフィール

グレン・カール

GLENN CARLE 元CIA諜報員。約20年間にわたり世界各地での諜報・工作活動に関わり、後に米国家情報会議情報分析次官として米政府のテロ分析責任者を務めた

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