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トランプとゼレンスキー、まさかの決裂──米ウクライナ関係の行方は?

2025年3月3日(月)14時57分
フレッド・カプラン(スレート誌コラムニスト)

首脳会談は決裂した。なぜ、こんな結果になったのか。ゼレンスキーのことを毛嫌いしているバンスが、トランプに癇癪(かんしゃく)を起こさせるように仕向けたのか。それとも、全てがトランプとバンスの事前の筋書きどおりだったのか。

この問いは、ホワイトハウスを本当に動かしているのが誰かという点では興味深いが、それよりも重要なのは、今後どうなるのかという問いだ。


テレビカメラの前で派手な口論を繰り広げた以上、トランプがゼレンスキーと和解することは考えにくい。

米ウ首脳会談に先立って、マクロン仏大統領とスターマー英首相が相次いでホワイトハウスを訪問していた。その際、両首脳は丁重な姿勢でトランプに接し、ウクライナ支援を継続するよう促した。

マクロンやスターマーはトランプとゼレンスキーの関係修復に尽力するだろうが、実を結ぶとは考えづらい。アメリカによる軍事面の支援がなければ、ウクライナがロシア軍の攻勢をはねのけることは難しく、欧州諸国はウクライナ支援の強化に踏み切らざるを得なくなるかもしれない。

今回の米ウ首脳会談の焦点だった鉱物資源に関する合意は、あくまでも象徴的な意味しかなかったのかもしれない。実際のところ、ウクライナの地中に眠っている鉱物資源にどの程度の価値があるのかははっきり分かっていない。

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