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ウクライナ戦争

「この馬たち、遅すぎ!」装備不足のロシア軍の移動手段は「まさかの馬」?...不満げなロシア兵の映像をウクライナ高官が公開

Russia Appears To Deploy Troops on Horseback in Ukraine

2025年2月14日(金)16時53分
イザベル・バンブルーゲン

ロシア議会国防委員会委員(Russia's State Duma Defense Committee)のビクトル・ソボレフ中将は、ロシア紙ガゼータ(Gazeta)に対し、ロシア軍はロバを使って弾薬や食糧などの装備を前線まで運んでいると語った。

馬や犬を使った装備の運搬は、第2次世界大戦中の「大祖国戦争」当時は普通だったとソボレフ氏は釈明する。

「今は弾薬や軍の戦術装備、それに食料なども、部隊や突撃隊などの小部隊へ届けることが非常に困難な状況にある」

ソボレフ氏はそう証言し、「それで悪いことは何もない。大祖国戦争中、我々の大砲の一部は馬に引かれてベルリンに到達した。大祖国戦争では犬も使われた」と言い添えた。

Xへの投稿で、戦争関連の資料を翻訳する独立系プロジェクト「War Translated」のドミトリは「ドネツク方面。ロシア軍の新しい騎馬隊」と書き込んだ。

ウクライナのゲラシチェンコ内務省元顧問はこうコメントしている。

「栄光の絶頂にある『世界第2の軍隊』。ロシア帝国時代に逆戻り。騎馬隊を使い、国家の少数民族代表を砲弾の餌食にしている」

「こうした兵士は天然資源が驚くほど豊富なサハ共和国の出身だ。だがサハの先住民はウクライナで盗まれた馬に乗って戦争をしている。その間にモスクワは、彼らのダイヤモンド、金、ガス、石油から得た利益で財源を満たしている」

2月24日で4年目に入る過酷な戦争の中で、今後もロシアとウクライナの双方が装備不足への対応を強いられる。

(翻訳:鈴木聖子)

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