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トランスジェンダーの移動の自由を奪う? パスポートの性別変更を凍結したトランプ政権

A HORRIFYING ORDER

2025年2月4日(火)15時30分
デービッド・マック(ライター)
トランスジェンダーフラッグと飛行機

「男女」のみ パスポートの性別欄「X」の廃止はLGBTQ+の人々に大きな打撃 PHOTO ILLUSTRATION BY SLATE. PHOTOS: TANYA JOYーISTOCKーGETTY IMAGES PLUS-SLATE, MURAT4ARTーISTOCKーGETTY IMAGES PLUSーSLATE, DELPIXARTーISTOCKーGETTY IMAGES PLUSーSLATE

<トランスジェンダーの人々にトランプが不寛容な大統領令。男女以外の性別を認めない方針に不安が広がる>

米オレゴン州在住のE(21)は、1年ほど前に自身の性自認を家族に打ち明けた。心と体の性が一致しない「トランスジェンダー女性」であることに誇りを持っているが、最近は不安でたまらない。

ドナルド・トランプ大統領の再選後、トランスジェンダーのガールフレンドと共に身分証明書の更新を急いだ。出生証明書、運転免許証、社会保障カードは更新した。だが、Eのパスポートは更新できていない。


ガールフレンドの新たなパスポートが承認されたのは1月22日。その翌日、国務省は性別欄が男性と女性以外のパスポートの発行を停止した。

Eのパスポート申請は、無期限に凍結される恐れがある。パスポートが更新されなければ、Eはアメリカから出国できない。Eは不安でたまらない。パスポート申請が却下されるのではないか、トランプ政権が今後どのような反トランスジェンダー法を打ち出すのか、国外へ逃れたくてもパスポートがなかったらどうなるのか......。「ニュースを逐一追っているが、希望が持てない」

トランプ新政権は発足以降、彼女たちのような出生時の登録と異なる性別を持つ人々の生きづらさに拍車をかけるような取り組みを早急に進めている。

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