最新記事
事故

韓国・済州島ショッピングセンターの天井が崩落 手抜き工事でなく人災との指摘も

2023年7月5日(水)21時00分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
天井を指差す女性たち

天井からミシミシという音が聞こえて女性たちが「おかしいわね」と話していたら……  캔디 KANDY_KBS제주 / YouTube

<これは想定外の事故なのか、あるいは人災か>

韓国国内でリゾート地として人気の済州島。観光客もはじめ、多くの人が訪れる済州市内のあるショッピングセンターで、4日、1階の天井が突然崩落するという衝撃的な事故が発生した。事故原因をめぐっては、手抜き工事のせいだという指摘とともに、起こるべくして起きた事故だったとの声も出ている。KBS제주など韓国メディアが報じた。

3週間ほど前にエアコン工事をしていた

天井からミシミシという音がすると、周囲にいた人びとがあたりを見合わたす。その瞬間、小さなかけらが一つ天井から落ちてきて、まもなく天井が丸ごと崩れ落ちた。人びとは慌てて建物の外へと逃げ出す──。

ショッピングセンターの天井崩壊当時の現場の状況だ。

建物1階の天井の4分の1ほどが崩れ落ち、80店舗余りが営業を停止した。事故の規模から考えるとけが人などの被害がなかったのは奇跡としか言えない状況だった。

事故が起きたこのショッピングセンターでは、済州市が商店街施設のリニューアル化事業をするため、天井にエアコンを設置してからわずか3週間ほどで事故が起きたという。

施設の管理人は、エアコン設置工事で天井に穴あけ作業をする際に鉄製の鉄骨部分を切断してそのまま放置したため、天井の石膏ボードに影響が出たと主張している。

「切れた部分があるじゃないですか。そこにエアコン設置工事をしたんです。それで問題が生じたようです。重量に耐えられなかったんです」(メン·ソンジェ元管理組合長)

もともと、テナントの店主たちは天井工事までやってほしいと要求したが、済州市の事業支援対象に含まれなかったため、老朽化した天井にシステムエアコンを設置したという。ちなみに1階の天井に設置されたエアコンは合計8台で、このうち6台が一区間に集中し、事故が予想されたという指摘も出ています。

「これは予見された事故でした。エアコンをつける時から不安でした。一方に偏りすぎたのも問題だったし」(テナントのキム·ミギョン店長)。
テナントの組合側は工事を主管した済州市の責任を問い、被害補償などを要求するという。

一方、警察は正確な原因究明のために科学捜査隊が現場を鑑識。さらに国立科学捜査研究院による鑑定も行われる予定だという。

食と健康
消費者も販売員も健康に...「安全で美味しい」冷凍食品を届け続けて半世紀、その歩みと「オンリーワンの強み」
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

OECD、25年世界成長率3.2%に引き上げ 米関

ビジネス

英総合PMI、9月速報51.0に低下 新たな増税を

ワールド

日米韓外相が会談、台湾・南シナ海情勢に懸念表明 北

ビジネス

ユーロ圏総合PMI、9月速報16カ月ぶり高水準 新
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 2
    筋肉はマシンでは育たない...器械に頼らぬ者だけがたどり着ける「究極の筋トレ」とは?
  • 3
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分かった驚きの中身
  • 4
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍…
  • 5
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、…
  • 6
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ…
  • 7
    「より良い明日」の実現に向けて、スモークレスな世…
  • 8
    米専門職向け「H-1B」ビザ「手数料1500万円」の新大…
  • 9
    「汚い」「失礼すぎる」飛行機で昼寝から目覚めた女…
  • 10
    【クイズ】世界で2番目に「コメの消費量」が多い国は…
  • 1
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 2
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分かった驚きの中身
  • 3
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の物体」にSNS大爆笑、「深海魚」説に「カニ」説も?
  • 4
    筋肉はマシンでは育たない...器械に頼らぬ者だけがた…
  • 5
    【動画あり】トランプがチャールズ英国王の目の前で…
  • 6
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ…
  • 7
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、…
  • 8
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍…
  • 9
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 10
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 6
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 7
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 8
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 9
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 10
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中