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「日本が台湾有事に武力介入すれば、中国は日本を核攻撃すべき」という動画がアメリカで拡散

2021年7月18日(日)10時31分
遠藤誉(中国問題グローバル研究所所長)

だから習近平は「愛される外交を展開せよ」と呼びかけているが、この中に実は「ナショナリストの過激な言動を抑えよ」という要素が入っていることを、私たちは見逃さない方が良いだろう。

特に米中が覇権争いをしている最中に、日本を敵に回して、習近平には何一つ良いことはない。アメリカから制裁を受ければ、日本に微笑みかけて日本の技術と日本の半導体チップなどを頂かなければならない。

台湾有事は日本有事でもあるのは確かだが、台湾政府も「独立」を叫ぶことは選ばず、「現状維持」を選択している。台湾政府が独立を叫べば中国は「反国家分裂法」を発動して台湾の武力攻撃に動くが、そうでない限り台湾武力攻撃は中国にはいかなるメリットもないのである。国際社会からの非難を浴びて孤立を招くのを避けたいと習近平は思っているだろう。そのようなことよりも、近い将来に訪れるであろう「中国経済がアメリカを追い抜く日」をじっと狙っている。

バイデン政府高官も「台湾独立を支持しない」と言ったばっかりではないか。

習近平にとって怖いのは、獅子身中の虫――。

これが今般の「六軍韜略」動画を削除させた最大の原因であると解釈していいだろう。

(なお、本コラムは中国問題グローバル研究所のウェブサイトから転載した。)

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