最新記事

南シナ海

中国軍艦がフィリピン領海に侵入して「航行の自由」作戦

2019年8月22日(木)18時40分
ジェームズ・パターソン

中国は通告なしに他国の領海の航行を繰り返している BOBBY YIP-REUTERS

<度重なる中国軍艦の無断侵入、レーダー探知を避けるため自動識別スイッチオフで通航していた確信犯ぶりをフィリピン国軍は指摘>

領有権論争をめぐって緊張が続く南シナ海の周辺で、中国が強気の行動を繰り返している。フィリピン国軍は8月14日、中国海軍の軍艦計5隻が7月と8月にフィリピンの「内海」に位置するシブツ海峡を無断で通航したと発表した。

シブツ海峡は国際航行に利用されており、あらゆる国の船舶は沿岸国の平和や秩序を害さない限り、他国の領海を通告や許可なしで航行できる「無害通航権」を有している。ただし軍艦の場合は沿岸国に事前に通告するのが慣例で、中国はその慣例を守っていなかった。しかも、中国の軍艦はレーダーで探知されないよう自動識別装置のスイッチを切っていた上に、直線でなく曲線の航路を取ったことから「無害」とは言えないと、フィリピン国軍は主張している。

中国の軍艦がフィリピン領海に通告なしで侵入するのは今回が初めてではない。7月22日には駐フィリピン中国大使の趙鑑華(チャオ・チエンホア)がロレンザーナ国防相に対し、軍艦が通航する場合は事前通告を行うよう中国海軍に指示する、と約束したばかりだった。

<本誌2019年8月27日号掲載>

【参考記事】中国が南シナ海で新たに「人工島の街」建設を計画
【参考記事】【南シナ海】中国船による「当て逃げ」にフィリピン激怒

20190827issue_cover200.jpg
※8月27日号(8月20日発売)は、「香港の出口」特集。終わりの見えないデモと警察の「暴力」――「中国軍介入」以外の結末はないのか。香港版天安門事件となる可能性から、武力鎮圧となったらその後に起こること、習近平直属・武装警察部隊の正体まで。また、デモ隊は暴徒なのか英雄なのかを、デモ現場のルポから描きます。

20210302issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

3月2日号(2月24日発売)は「ルポ新型コロナ 医療非崩壊」特集。第3波の日本で「通常」の医療体制は崩壊。だが現場には硬直したシステムを変え、命を守った人たちもいた――。

ニュース速報

ビジネス

中国製造業PMI、2月は50.6に低下 昨年5月来

ワールド

ミャンマー、治安部隊の発砲で死者7人 連日のデモ鎮

ワールド

情報BOX:来週開幕、中国全人代の概要と見通し

ワールド

ミャンマー国連大使、国軍に抵抗続けると表明 解任と

MAGAZINE

特集:ルポ新型コロナ 医療非崩壊

2021年3月 2日号(2/24発売)

第3波の日本で「通常」の医療体制は崩壊したが現場には硬直した体制を変え命を守った人々もいた

人気ランキング

  • 1

    バブルは弾けた

  • 2

    がら空きのコロナ予防接種センター、貴重なワクチンは余って山積み──イギリスに負けたEUの失敗

  • 3

    コロナ危機が招いた株価バブルは2021年に終わる

  • 4

    大口投資家がビットコインの買い占めに走り、個人投…

  • 5

    トランプの扱いを巡って米国共和党の内紛は三国志状…

  • 6

    タイガーが暴露症の女ばかり選んだ理由(アーカイブ…

  • 7

    弁護士の平均年収は4割減 過去十年で年収が上がった…

  • 8

    なぜドラえもんの原っぱには「土管」がある? 東京の「…

  • 9

    ビットコイン暴落、投資家は「全てを失う覚悟を」(…

  • 10

    フランス・リヨン市、環境派市長「給食を肉なしメニ…

  • 1

    屋外トイレに座った女性、「下から」尻を襲われる。犯人はクマ!──アラスカ

  • 2

    中国はアメリカを抜く経済大国にはなれない

  • 3

    バブルは弾けた

  • 4

    がら空きのコロナ予防接種センター、貴重なワクチン…

  • 5

    トランプにうんざりの共和党員が大量離党 右傾化に…

  • 6

    動画で見る、トランプ時代の終焉の象徴

  • 7

    弁護士の平均年収は4割減 過去十年で年収が上がった…

  • 8

    あらゆる動物の急所食いちぎり去勢も? 地上最凶の…

  • 9

    アメリカの顔をした中国企業 Zoomとクラブハウスの…

  • 10

    強大化する中国を前に日米豪印「クアッド」が無力な…

  • 1

    フィット感で人気の「ウレタンマスク」本当のヤバさ ウイルス専門家の徹底検証で新事実

  • 2

    ロシアの工場跡をうろつく青く変色した犬の群れ

  • 3

    屋外トイレに座った女性、「下から」尻を襲われる。犯人はクマ!──アラスカ

  • 4

    さようならトランプ、負債3億ドルと数々の訴訟、捜査…

  • 5

    新型コロナ感染で「軽症で済む人」「重症化する人」…

  • 6

    韓国メディアが連日報道、米日豪印「クアッド」に英…

  • 7

    バブルは弾けた

  • 8

    中国はアメリカを抜く経済大国にはなれない

  • 9

    全身が泥で覆われた古代エジプト時代のミイラが初め…

  • 10

    現役医師が断言、日本の「ゆるいコロナ対策」が多くの…

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

投資特集 2021年に始める資産形成 英会話特集 Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
CCCメディアハウス求人情報
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
Wonderful Story
メールマガジン登録
CHALLENGING INNOVATOR
売り切れのないDigital版はこちら
World Voice

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

絶賛発売中!

STORIES ARCHIVE

  • 2021年2月
  • 2021年1月
  • 2020年12月
  • 2020年11月
  • 2020年10月
  • 2020年9月