最新記事

トランプ政権

アメリカ国籍の有無を問う、国勢調査にストップが

2019年7月13日(土)13時30分
シャンタル・ダシルバ

移民がカウントされなければ選挙結果も変わる? Nick Oxford-REUTERS

<マイノリティーの投票権保護という不自然な理由でこの質問にこだわったトランプの真意は?>

あなたは米国民ですか――アメリカで10年ごとに実施される国勢調査に、この質問項目を追加しようというトランプ政権の試みが頓挫した。

米最高裁は6月下旬、調査票に米国籍の有無を尋ねる質問を加えることを認めないとの判断を下した。これを受けて米政府は7月2日、20年の国勢調査に向けてこの項目を含めない調査票の印刷を始めると表明した。

不法移民に強硬姿勢を取るトランプ政権は、マイノリティーの投票権保護を強化するためという不自然な理由でこの質問の追加にこだわってきた。しかし人権団体や民主党陣営は、強制退去を恐れて国勢調査への回答を敬遠する移民が増え、調査の正確性が損なわれると批判。不法移民が多い州で統計上の人口が減れば、人口に比例して割り振られる連邦議会下院の議席数などに影響が出る恐れがあり、移民の多い州で支持を集める民主党にとって不利になるという事情もあった。

もっとも、トランプ大統領は諦め切れないようだ。3日には、国籍の質問を断念したとの報道は「フェイクだ! われわれは間違いなく前進している」とツイート。大統領令の発令を検討しているとの報道もある。

<本誌2019年7月16日号掲載>

20190716issue_cover200.jpg
※7月16日号(7月9日発売)は、誰も知らない場所でひと味違う旅を楽しみたい――。そんなあなたに贈る「とっておきの世界旅50選」特集。知られざるイタリアの名所から、エコで豪華なホテル、冒険の秘境旅、沈船ダイビング、NY書店めぐり、ゾウを愛でるツアー、おいしい市場マップまで。「外国人の東京パーフェクトガイド」も収録。


2023032128issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2023年3月21日/28日号(3月14日発売)は「グローバル企業に学ぶSDGs」特集。ダイキン、P&G、ドコノミー、AKQA……「持続可能な開発目標」の達成が今やビジネス成功の必要条件に

今、あなたにオススメ

ニュース速報

ワールド

EU、虚偽の「環境に優しい」製品に規制強化案 証明

ワールド

金価格目標を2050ドルに引き上げ、最良の安全資産

ビジネス

米住宅ローン金利、昨年11月半ば以来の大幅低下

ワールド

北朝鮮核実験、差し迫っている様子なし 引き続き警戒

今、あなたにオススメ

MAGAZINE

特集:グローバル企業に学ぶSDGs

2023年3月21日/2023年3月28日号(3/14発売)

ダイキン、P&G、AKQA、ドコノミー......。「持続可能な開発目標」の達成を経営に生かす

メールマガジンのご登録はこちらから。

人気ランキング

  • 1

    女性支援団体Colaboの会計に不正はなし

  • 2

    大事な部分を「羽根」で隠しただけ...米若手女優、ほぼ丸見えドレスに「悪趣味」の声

  • 3

    老人自ら死を選択する映画『PLAN 75』で考えたこと

  • 4

    ニシキヘビ、子ポッサムの前で母を絞め殺し捕食 豪

  • 5

    プーチンの居場所は、愛人と暮らす森の中の「金ピカ…

  • 6

    「そんなに透けてていいの?」「裸同然?」、シース…

  • 7

    プーチン「専用列車」の写真を撮影・投稿してしまっ…

  • 8

    「この世のものとは...」 シースルードレスだらけの…

  • 9

    幻の音源も収録された、大滝詠一の新作ノベルティ作…

  • 10

    中国が示すウクライナ停戦案に隠された「罠」と、習…

  • 1

    大事な部分を「羽根」で隠しただけ...米若手女優、ほぼ丸見えドレスに「悪趣味」の声

  • 2

    【悲惨動画3選】素人ロシア兵の死にざま──とうとう長い棒1本で前線へ<他>

  • 3

    「この世のものとは...」 シースルードレスだらけの会場で、ひときわ輝いた米歌手シアラ

  • 4

    女性支援団体Colaboの会計に不正はなし

  • 5

    プーチンの居場所は、愛人と暮らす森の中の「金ピカ…

  • 6

    事故多発地帯に幽霊? ドラレコがとらえた白い影...…

  • 7

    復帰した「世界一のモデル」 ノーブラ、Tバック、シ…

  • 8

    「ベッドでやれ!」 賑わうビーチで我慢できなくなっ…

  • 9

    「セクシー過ぎる?」お騒がせ女優エミリー・ラタコ…

  • 10

    少女は熊に9年間拉致され、人間性を失った...... 「人…

  • 1

    大事な部分を「羽根」で隠しただけ...米若手女優、ほぼ丸見えドレスに「悪趣味」の声

  • 2

    推定「Zカップ」の人工乳房を着けて授業をした高校教師、大揉めの末に休職

  • 3

    バフムト前線の兵士の寿命はたった「4時間」──アメリカ人義勇兵が証言

  • 4

    訪日韓国人急増、「いくら安くても日本に行かない」…

  • 5

    「ベッドでやれ!」 賑わうビーチで我慢できなくなっ…

  • 6

    【写真6枚】屋根裏に「謎の住居」を発見...その中に…

  • 7

    これだけは絶対にやってはいけない 稲盛和夫が断言…

  • 8

    1247万回再生でも利益はたった328円 YouTuberが稼げ…

  • 9

    ざわつくスタバの駐車場、車の周りに人だかり 出て…

  • 10

    年金は何歳から受給するのが正解? 早死にしたら損だ…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story