最新記事

サッカー

「サル」「奴隷」... 移民サッカー選手が差別語で差別に抗議

2019年6月3日(月)11時50分
カラム・ペイトン

サッカー界から人種差別は一掃できるか CARL RECINE-REUTERS

「サル」「奴隷」「不法入国者」──名前の代わりに、差別的な言葉が書かれたユニフォームを着た選手たちがサッカーのピッチに姿を現した。

スペイン南部アンダルシア州の地域リーグに所属するアマチュアサッカーチーム「アルマ・デ・アフリカ」(「アフリカの魂」という意味)の選手は、ほとんどが移民だ。対戦チームの選手やサポーターから人種差別的な発言を浴びせられる状況に抗議するために、5月26日、今シーズンの最終戦でこのような行動を取った。

「もう21世紀だというのに、どうして侮辱的な言葉を吐かれ続けなくてはならないのか。もうたくさんだ」と、カメルーン出身のミッドフィルダー、エリック・ホスエ・アマングは、スペインの有力紙エル・パイスに語っている。

これはスペインの地域リーグだけの問題ではない。最近ではこの4月、伊セリエAのユベントスでプレーする10代の伊代表フォワード、モイゼ・ケアン(コートジボワール出身の両親を持つ)が対戦チームのサポーターから人種差別的なヤジを浴びせられ、試合が一時中断した。

サッカー界はいつになったら、人種差別と決別できるのか。

<2019年6月11日号掲載>

20190611issue_cover200.jpg
※6月11日号(6月4日発売)は「天安門事件30年:変わる中国、消せない記憶」特集。人民解放軍が人民を虐殺した悪夢から30年。アメリカに迫る大国となった中国は、これからどこへ向かうのか。独裁中国を待つ「落とし穴」をレポートする。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

NATO事務総長、2032年までの防衛費引き上げを

ビジネス

CATL、香港上場で少なくとも40億ドル調達へ 今

ビジネス

米国債のCDSスプレッド、2年ぶりの高水準に拡大

ワールド

米関税の影響長期化へ、政策対応余地は限られる=タイ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    シャーロット王女の「親指グッ」が話題に...弟ルイ王子との微笑ましい瞬間が拡散
  • 3
    「隠れ糖分」による「うつ」に要注意...男性が女性よりも気を付けなくてはならない理由とは?
  • 4
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 5
    ロシア機「Su-30」が一瞬で塵に...海上ドローンで戦…
  • 6
    SNSにはトップレス姿も...ヘイリー・ビーバー、ノー…
  • 7
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 8
    ロシア艦船用レーダーシステム「ザスロン」に、ウク…
  • 9
    「股間に顔」BLACKPINKリサ、ノーパンツルックで妖艶…
  • 10
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 3
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 4
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 5
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 6
    SNSにはトップレス姿も...ヘイリー・ビーバー、ノー…
  • 7
    シャーロット王女の「親指グッ」が話題に...弟ルイ王…
  • 8
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 9
    ロシア機「Su-30」が一瞬で塵に...海上ドローンで戦…
  • 10
    シャーロット王女とスペイン・レオノール王女は「どち…
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 5
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 6
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 7
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 10
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中