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アフリカに債務危機懸念──中国が「わな」を仕掛けたのか、批判は妥当なのか

2019年3月2日(土)11時45分
高岡秀一郎(時事通信社外経部編集委員)※時事通信社発行の電子書籍「e-World Premium」より転載

中国の習近平国家主席とザンビアのエドガー・チャグワ・ルング大統領(2015年) Feng Li-REUTERS

アフリカ諸国の債務水準に対する懸念がじわり浮上している。とりわけ国際社会から厳しい視線が注がれているのが、アフリカ諸国への融資を大幅に増やしている中国だ。ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は2018年末の講演で、「中国はアフリカ諸国を自身の意向や要求に無理やり従わせるため、債務を戦略的に利用している」と、中国による「債務のわな」を批判した。

中国のせいかどうかはともかく、サブサハラ(サハラ砂漠以南のアフリカ)各国のバランスシートは確かに急激に悪化している。国際通貨基金(IMF)が2018年10月に公表したサブサハラに関する地域リポートによると、同地域の2018年の累積債務見通しは域内総生産比率で48.5%と、2010~15年の31.0%から大きく上昇。低所得国の上限とされる40%を超える。アンゴラやモザンビーク、ザンビアなど13カ国が60%以上に達する見込みで、英シンクタンクの海外開発研究所(ODI)は「サブサハラ諸国の約4割が債務危機に陥るリスクにある」と警鐘を鳴らす。

債権回収へ電力会社乗っ取り?

ボルトン氏は講演で「債務のわな」に捉われた象徴的な国として、ザンビアとジブチを挙げた。特にザンビアについては、「中国向け債務が現在、60億~100億ドルに達している。中国は債権を回収するために、ザンビアの電力・公益事業会社を乗っ取ろうとしている」と主張した。

ロイター通信によると、ザンビアの大統領報道官はボルトン氏の発言に関して、「そのような政府高官からそんな情報が出てくるとは、残念なことだ」と否定。電力会社を対中国債務の担保として差し入れておらず、ザンビアの対外債務残高97億ドルのうち、中国向け債務は31億ドルにすぎないと反論した。それにしても、中国からの借金は全体の3分の1に上るのだが。

ザンビアが国営電力会社を中国融資の担保として差し入れる用意をしているとの報道を、ザンビア当局は繰り返し否定している。しかし、そんな臆測がなかなか消えないのは、中国の対アフリカ融資の実態が、いまひとつよく分からないためでもある。

深い霧の中で一つの道標となっているのが、米ジョンズ・ホプキンズ大学の中国アフリカ調査イニシアチブ(CARI)がまとめた統計だろう。それによると、中国の対アフリカ融資総額は2000年の時点では1億3000万ドルに過ぎなかったが、2012年以降は年間で常時100億ドルを超えるようになり、16年には300億ドルに達した。

その軌跡は、習近平・中国国家主席肝煎りのシルクロード経済圏構想「一帯一路」で西の端に位置するアフリカへの関与を、中国がこのところ強めてきた状況と重なる。2015年、南アフリカ・ヨハネスブルクで行われた「中国アフリカ経済フォーラム(FOCAC)」に際して、中国は600億ドルの対アフリカ支援を表明している。

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