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トランプ大統領、トランスジェンダーの米軍入隊を禁止へ 訴訟の恐れも

2017年7月27日(木)10時30分

7月26日、トランプ米大統領はツイッターで、心と体の性が一致しないトランスジェンダーの人々について、米軍への入隊を禁止する方針を発表した。写真はトランプ大統領の発表に抗議する人々。 米ニューヨークのタイムズスクエアで撮影(2017年 ロイター/Carlo Allegri)

トランプ米大統領は26日、ツイッターで、心と体の性が一致しないトランスジェンダーの人々について、米軍への入隊を禁止する方針を発表した。時期や方法などの詳細は明らかにしていない。

突然の発表に対し、人権団体や民主・共和両党の一部議員は政治的動機に基づく差別だと非難する一方、保守系団体や一部の共和党議員は賛同する考えを示している。

オバマ前政権は、性的指向や性自認に基づく米軍内の障壁撤廃に取り組んできた。

トランプ氏は昨年の大統領選期間中、トランスジェンダーを含む性的少数者(LGBT)のために戦うと公約していた。

しかし、この日のツイートでは「米軍幹部や専門家と協議した結果、米政府は米軍のいかなる職務であれトランスジェンダーの個人を受け入れない方針となった」と発表。「米軍は決定的な勝利に専念する必要があり、トランスジェンダーの受け入れに伴う高額の医療費や混乱を引き受けられない」とした。

この方針がすでに入隊している数千人のトランスジェンダーの軍人にも適用されるのか、入隊希望者に限定されるかどうかは不明。また、トランスジェンダーの軍人の強制除隊を可能にする法的根拠もはっきりしない。

国防総省が積極的にトランスジェンダーの軍人を除隊させようとする場合、人権を巡る大きな訴訟に発展する可能性が高いと専門家は指摘する。

[ワシントン/ニューヨーク 26日 ロイター]


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■過去にはこんな発言をしていた......

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