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<ワールド・ニュース・アトラス/山田敏弘>

トランプ政権発足で、あのスノーデンがアメリカに引き渡される?

2017年1月13日(金)18時00分
山田敏弘(ジャーナリスト)

 つまり、ロシアと良好な関係を維持するとみられるトランプ政権になれば、もしかするとスノーデンがアメリカに送還されて裁判を受け、極刑を言い渡される可能性がある。トランプ政権で国家安全保障担当大統領補佐官になるマイケル・フリン元国防情報局長官も、スノーデンの暴露が米兵の命を危機にさらしたと主張している。

 こうした劣勢に、スノーデン自身はなんと語っているのか。世界中のメディアや企業からの依頼を受けて、ロシアからあちこちのビデオに頻繁に登場しているスノーデンは、何度かこの件について発言している。

 昨年12月のインタビューでは、「多くの人が私にこう聞く。トランプが『プレゼントとしてこの男を渡してくれないかい』と言って(トランプとプーチンの間に)何らかの取引が行われるのではないかと。私には、そんなことが起きるのかどうかはわからない。起きる可能性はあるのか? それはあるだろう。私はそれに戦々恐々としているのか? いいえ。なぜなら、こういうことだ。私は自分がした決断に満足している。正しいことをしたとわかっているのだ」と、語っている。

【参考記事】NSAの通信傍受を恐れて進む米ネット企業離れ

 スノーデンはとにかく、「先のことは予測できない」が「心配していない」と繰り返している。一方で、マイケル・ヘイデン元CIA長官にように、トランプはスノーデンのような頭痛の種はいらないだろうと見ている人もいる。

 球技に例えるならボールはトランプの側にある。果たして、トランプ新政権はどう動くのか。

≪執筆者≫
山田敏弘

国際ジャーナリスト。講談社、ロイター通信社、ニューズウィーク日本版などで勤務後、米マサチューセッツ工科大学(MIT)で国際情勢の研究・取材活動に従事。訳書に『黒いワールドカップ』(講談社)など、著書に『モンスター 暗躍する次のアルカイダ』(中央公論新社)、『ハリウッド検視ファイル トーマス野口の遺言』(新潮社)。現在、「クーリエ・ジャポン」や「ITメディア・ビジネスオンライン」などで国際情勢の連載をもち、月刊誌や週刊誌などでも取材・執筆活動を行っている

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