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アップルを揺さぶる中国「連続自殺」

2010年5月31日(月)18時03分
ニック・サマーズ

最大の財産は期待とイメージ

 世界最大の電子機器の下請けメーカーをめぐるトラブルは、世界の多くのハイテク企業に影響を及ぼす。しかし、どこよりも大きな打撃を被るのはアップルだろう。

 アップルは5月26日、発行済み株式の時価総額でマイクロソフトを抜いて、アメリカで最も株式時価総額の大きいテクノロジー企業になった。ニューヨーク・タイムズ紙も指摘するように、純利益も、手持ちのキャッシュの額も、アップルはマイクロソフトに及ばない。それでもアップルのほうが株式時価総額が大きいのは、株式市場がアップルの将来性を評価しているからにほかならない。

 だからこそ、自殺問題が大きな痛手になる可能性がある。アップルの運命は、イメージに大きく左右されるからだ。香港では、抗議の市民がiPhoneの写真を燃やしている。

 深センの工場はどうなるのか。「注目が集まったことをきっかけに、労働者の状況が改善されることを願いたい」と、UCLAのクック医師は言う。「もっとも今後のことは、時間がたたないと分からない。臨床の現場でも、自殺を予測することほど難しいことはほとんどないのだから」

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