最新記事

スポーツ

ナイキ運営チームが潰した「アメリカで一番足が速い少女」

Don’t Run From the Problem

2019年12月03日(火)16時55分
シャノン・パラス

女子選手に無理な減量を強いる慣行の背景には、2つの誤った思い込みがある。1つは走り込めば痩せるのが当然だという考え。実際は、選手の強化のためには走って燃焼したカロリーの大半をきちんと食べて補うことが重要だ。

加えて「体重が軽ければ、速く走れる」という誤った通念もある。人体には単純な運動力学は当てはまらない。極端な食事制限で心理的なストレスがたまれば、競技パフォーマンスは低下するだろう。

無理な減量は無月経ばかりか、摂食障害や醜形恐怖症を招くこともある。こうした弊害をなくすためにも、指導現場に女性コーチが増えることが望ましい。ケインも今、指導者として選手の育成に当たっている。彼女はスポーツ界に戻った動機をこう語った。

「なんのために走るのかじっくり考えてみた。そして子供の頃の自分を取り戻したの。走るのが大好きで、チャレンジを楽しんでいた自分を」

©2019 The Slate Group


20191210issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

12月10日号(12月3日発売)は「仮想通貨ウォーズ」特集。ビットコイン、リブラ、デジタル人民元......三つ巴の覇権争いを制するのは誰か? 仮想通貨バブルの崩壊後その信用力や規制がどう変わったかを探り、経済の未来を決する頂上決戦の行方を占う。

[2019年12月 3日号掲載]

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ガザで子どもの遺体抱く女性、世界報道写真大賞 ロイ

ビジネス

アングル:日経平均1300円安、背景に3つの潮目変

ワールド

中東情勢深く懸念、エスカレーションにつながる行動強

ワールド

ウクライナ中部にロシアミサイル攻撃、8人死亡 重要
今、あなたにオススメ

RANKING

  • 1

    人肉食の被害者になる寸前に脱出した少年、14年ぶり…

  • 2

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 3

    ロックンロールの帝王を捨てた女性の物語、映画『プ…

  • 4

    キャサリン妃とメーガン妃の「本当の仲」はどうだっ…

  • 5

    【ヨルダン王室】世界がうっとり、ラジワ皇太子妃の…

  • 1

    キャサリン妃とメーガン妃の「本当の仲」はどうだっ…

  • 2

    「結婚に反対」だった?...カミラ夫人とエリザベス女…

  • 3

    エリザベス女王が「誰にも言えなかった」...メーガン…

  • 4

    「テニスボール貫通ピンヒール」の衝撃...ゼンデイヤ…

  • 5

    人肉食の被害者になる寸前に脱出した少年、14年ぶり…

  • 1

    キャサリン妃とウィリアム皇太子の「ご友人」...ロー…

  • 2

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 3

    メーガン妃は「努力を感じさせない魅力がお見事」とS…

  • 4

    エリザベス女王が「誰にも言えなかった」...メーガン…

  • 5

    キャサリン妃とメーガン妃の「本当の仲」はどうだっ…

MAGAZINE

LATEST ISSUE

特集:老人極貧社会 韓国

特集:老人極貧社会 韓国

2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる