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生きることの意味を問いたい人へ。人生の教訓がないメロドラマ、でも...

No Life Lessons Here

2019年11月25日(月)18時00分
インクー・カン(カルチャーライター)

それでも舞台が唐突にアンダルシアの農場へと変わると、アントニオ・バンデラスがいくらか重みを加えてくれる。手広く事業を手掛けるビンセント(バンデラス)は、大切な部下で新婚のハビエル(セルヒオ・ペ7リス・メンチェータ)の妻イザベル(ライア・コスタ)に恋心を抱く。

現代版『フィガロの結婚』のような三角関係に一触即発の緊張が流れるが、物語は先に進まざるを得ない。ハビエルの息子ロドリゴ(アレックス・モネール)は重病の母を残してニューヨーク大学に進む。そこはウィルとアビーが恋に落ちた大学でもあり、2つの筋書きが予想度どおり見事に結び付くというわけだ。

人生の教訓がない人生ドラマだが、それでいいのだろう。生きることの意味を問いたい人には、絶好のきっかけになるかもしれない。

LIFE ITSELF
『ライフ・イットセルフ 未来に続く物語』

監督/ダン・フォーゲルマン
主演/オスカー・アイザック、オリビア・ワイルド
日本公開は11月22日


©2019 The Slate Group

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12月3日号(11月26日発売)は「香港のこれから」特集。デモ隊、香港政府、中国はどう動くか――。抵抗が沈静化しても「終わらない」理由とは? また、日本メディアではあまり報じられないデモ参加者の「本音」を香港人写真家・ジャーナリストが描きます。

[2019年11月26日号掲載]

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