最新記事

インドネシア

インドネシアの女性タクシードライバー、強盗防止の秘策

2019年11月19日(火)17時45分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

渋滞のひどい都市として知られるジャカルタ GeorginaCaptures-iStock

<強盗が多発するエリアで働く女性ドライバーのヴァレリーさんは自分で自分の身を守る>

インドネシアの南スマトラ州パレンバン市で、タクシードライバーを狙った強盗から身を守るため、工夫を凝らした対策が講じられている。インドネシアの主要英字紙「ジャカルタ・ポスト」が伝えた。

42歳のヴァレリーが仕事をするのも強盗が横行するエリアだ。「アプリを使って仕事を受けるタクシー運転手はよく犯罪の犠牲になります。それが私がケージを設置した理由ですね」と話した。彼女は運転席にケージを設置し、座席と助手席との壁を作った。


この運転席を囲うケージはガラスとアクリル板を重ねたつくりで、かかった費用は49.88ドル(約4500円)。しかし「(お金より)重要なのは、安全を確保できること」と彼女は言う。

相次ぐタクシー強盗

つい先日も、同じエリアで事件が起こった。タクシーの乗客が予め持っていたナイフを取り出し、車を引き渡すように要求。このタクシーの運転手はこの乗客を撃退しようとし奮闘したがナイフで刺され負傷してしまった。容疑者は警察により逮捕されたが、他にも共犯がいるとしてその行方を追っている。

防犯対策を施してから初めての出勤日。ヴァレリーは、普段通り、午前3時に仕事を始めた。車内の様子を見た乗客の反応は好意的で、多くがヴァレリーの行動を支持したそう。「私の友人(仲間のドライバー)もケージを設置するかもしれない」とドライバーの安全確保に期待を込めた。

20191126issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

11月26日号(11月19日発売)は「プラスチック・クライシス」特集。プラスチックごみは海に流出し、魚や海鳥を傷つけ、最後に人類自身と経済を蝕む。「冤罪説」を唱えるプラ業界、先進諸国のごみを拒否する東南アジア......。今すぐ私たちがすべきこととは。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

SOMPO、農業総合研究所にTOB 1株767円で

ワールド

中国、米が国防政策を歪曲と批判 対インド関係巡り

ワールド

中国、米国の台湾への武器売却を批判 「戦争の脅威加

ビジネス

11月ショッピングセンター売上高は前年比6.2%増
あわせて読みたい

RANKING

  • 1

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 2

    女性の胎内で育てる必要はなくなる? ロボットが胚…

  • 3

    2100年に人間の姿はこうなる? 3Dイメージが公開

  • 4

    「見せたら駄目」──なぜ女性の「バストトップ」を社…

  • 5

    キャサリン妃がこれまでに着用を許された、4つのティ…

  • 1

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 2

    女性の胎内で育てる必要はなくなる? ロボットが胚…

  • 3

    2100年に人間の姿はこうなる? 3Dイメージが公開

  • 4

    アジア系男性は「恋愛の序列の最下層」──リアルもオ…

  • 5

    アメリカ日本食ブームの立役者、ロッキー青木の財産…

  • 1

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 2

    「恐ろしい」...キャサリン妃のウェディングドレスに…

  • 3

    女性の胎内で育てる必要はなくなる? ロボットが胚…

  • 4

    ハリウッド大注目の映画監督「HIKARI」とは? 「アイ…

  • 5

    2100年に人間の姿はこうなる? 3Dイメージが公開

MAGAZINE

LATEST ISSUE

特集:ISSUES 2026

特集:ISSUES 2026

2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン