最新記事

日本経済

西村再生相、各自治体が企業支援するため交付金1兆円活用検討 休業補償への利用は慎重姿勢

2020年4月10日(金)19時38分

西村康稔経済再生相(写真)は10日夕、閣議後の会見で、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、「地方特例交付金1兆円を活用して、それぞれの自治体が地域の事情に応じて企業支援できるようにしたい」と述べた。2019年9月、東京の首相官邸で撮影(2020年 ロイター/Issei Kato)

西村康稔経済再生相は10日夕、閣議後の会見で、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、「地方特例交付金1兆円を活用して、それぞれの自治体が地域の事情に応じて企業支援できるようにしたい」と述べた。

小池百合子東京都知事が、休業要請に応じた都内の事業者に対して協力金の給付を検討していることについては、国が個別の事業の休業補償、補填をすることは考えていないとの認識を示した。その上で、西村再生相は、自治体が交付金を休業補償に使うことには慎重な姿勢を示した。

「政府としては、最大限の支援をする、それが今回の中小企業者に対する助成金であり給付金で、無利子・無担保の融資を広げていくということだ」(西村再生相)と、企業支援について前向きな姿勢を見せた。

政府と東京都で折り合いがつかず、対応を迫られていた施設の休業要請については「ホームセンター、コンビニなどの生活必需品・理美容院の利用制限は不適切だ」と小池都知事に伝えたという。

東京や大阪を含む7都府県以外の地域について緊急事態宣言を発出するかどうかの判断については「現時点で、専門家は急速に感染者数が増えていく兆しがみえているとの判断でない」とし、現段階では愛知県や京都府などを追加する考えがないことを明らかにした。

西村経済再生相は、各都道府県知事が独自に緊急事態宣言を発出することについて「各都道府県で緊張感を持って対応することは歓迎」とコメント。

11日には、現在緊急事態宣言が発出されている7都府県の知事とテレビ会議を行う予定だとした。

(浜田寛子 編集:内田慎一)

[東京 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【関連記事】
・新型コロナウイルス感染症で「目が痛む」人が増えている?
・イタリア、新型コロナウイルス死者・新規感染がペース再加速
・新型コロナウイルス、男性の死亡リスクが高い理由
・シンガポール、教員に「ズーム使用停止」命じる オンライン授業中に重大事案が発生
・気味が悪いくらいそっくり......新型コロナを予言したウイルス映画が語ること


20200414issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年4月14日号(4月7日発売)は「ルポ五輪延期」特集。IOC、日本政府、東京都の「権謀術数と打算」を追う。PLUS 陸上サニブラウンの本音/デーブ・スペクター五輪斬り/「五輪特需景気」消滅?

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ゼレンスキー氏「米国の和平案推し進める用意」、 欧

ビジネス

米CB消費者信頼感、11月は88.7に低下 雇用や

ワールド

ウクライナ首都に無人機・ミサイル攻撃、7人死亡 エ

ビジネス

米ベスト・バイ、通期予想を上方修正 年末商戦堅調で
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 2
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ成長株へ転生できたのか
  • 3
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後悔しない人生後半のマネープラン
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 6
    放置されていた、恐竜の「ゲロ」の化石...そこに眠っ…
  • 7
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 8
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 9
    使っていたら変更を! 「使用頻度の高いパスワード」…
  • 10
    トランプの脅威から祖国を守るため、「環境派」の顔…
  • 1
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 2
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 3
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やってはいけない「3つの行動」とは?【国際研究チーム】
  • 4
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 7
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 8
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 9
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 10
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦…
  • 8
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中