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ノートが、日産有史以来初のヒット車に輝いた理由とは?

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2019年1月18日(金)11時00分
ニューズウィーク日本版ウェブ広告制作チーム

そして川底氏は、e-POWERを搭載した日産ノートを開発するにあたっては、世界初の量産EVである日産リーフの存在が大きかったと続けた。ノートe-POWERとリーフは、どちらも電気でモーターを駆動して走るという点においては同じだ。

「日産リーフにお乗りになってモーターの加速を体験した方は、二度とエンジンには戻れないとおっしゃいます。そういう声は、ノートがどうあるべきかを考えた時に大いに参考になりました。ノートにe-POWERを搭載することで、より多くの方にモーターで走る楽しさを提供できるようになったと思います」

e-POWERやEVについて、つい省エネという観点だけで語ってしまう。もちろん環境にも有用な技術であるのは間違いないけれど、エンジンとは異なる新しいファン・トゥ・ドライブを提供する仕組みでもあるのだ。

安全性能は、コンパクトカーでも差を付けない

e-POWERと並ぶもうひとつの柱である安全性能については、コストとの兼ね合いを川底氏に聞きたかった。カメラやセンサー、レーダーなどで周囲の状況を感知する予防安全装置や運転支援装置は、その気になればどこまでも高度なものが搭載できる。ただし、そうすると価格が高くなってしまい、特にノートのようなコンパクトカーは価格競争力の点で不利となる。

安全性能とコストのバランスについて尋ねると、川底氏は「コンパクトカーだからといって安全性能が低くていい、ということはありません」と、きっぱり返答した。

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「技術でお客様の生活を豊かにしたい、ということが私たちのやりたいことです」と語る川底順哉氏

「自動車メーカーとして、安全に関してはコンパクトカーも大きなクルマも考え方は同じです。だから車両価格が高くなるからこの安全装備は諦めようというより、この値段で採用できるように努力しましょう、というのがわれわれの立場です」

こうして日産ノートには、人や車両との衝突を軽減する被害軽減ブレーキなどの安全装置と、先行車両に付いて行く追従機能などの運転支援装置が備わった。

e-POWERによるわくわく感と環境性能、先進的な安全・運転支援性能を備えたわけだが、これからの日本ではこうした優れたコンパクトカーはさらに存在意義を高めると考える。

まず第一に、日本の道路事情ではコンパクトカーが使いやすいことは紛れもない事実である。道路の整備が進んだ都市部では体感しにくいものの、国土交通省の資料によれば、日本の道路の約84%は道幅平均が約3.9mという狭い市町村道である。こうした道でも、コンパクトカーであればスムーズにすれ違うことができる。

一方、都市部に人口が集中する都市化が世界的に進行しているという事情もある。日本もご多分にもれず、総務省の統計では東京圏の人口は増え続けている。つまり都心部の交通量は今後も増加が見込まれるわけで、駐車スペースの確保や渋滞の解消を考慮すれば、コンパクトカーの持つ意味が増すのだ。

インタビューの最後に、川底氏は「事前に想定していたよりも、オレンジ色がよく売れました」と語った。日本で販売される乗用車の色は、黒、白、シルバーの3色で全体の約7割を占めることを考えると、知的好奇心に満ちた方が日産ノートに興味をお持ちになったと想像する。

つまり環境や安全、運転する楽しみに意識的な方を取り込むことで、日産ノートは売上げナンバーワンに輝いた。これからさらに重要度が増すコンパクトカー市場において、日産ノートのようにチャレンジングなモデルが販売台数ナンバーワンを獲得したという事実は、明るい出来事ではないだろうか。


Text:サトータケシ
Photo:遠藤宏(インタビュー)

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